「まちが劇場準備中」の準備のために大阪に滞在中。
通天閣の足元にある新世界市場の「マメゲキ」を拠点に少しずつ準備が進んでいる。
で、12日からデモンストレーション期間がはじまり、今
週末、13、14日が通天閣に2日間限定のアートスクエアができ、夕方ぐらいにはレクチャーや参加作家のトークセッションも予定されている。
今回の実験は通常のアートプロジェクトのように作品がいろいろ街に設置されてそれを見て廻るような類のことではなく、まちを劇場に見立てて今まで繋がらなかった関係をつないで見る・・・というもの・・・のはず・・・。
まずは、春から開催してきた「連れズレなるまま」というディスカッションに参加した人たち・・・つまり、まちに少なからず興味のある人、あるいは何か表現したいと思っている人が・・・まちに対する視線や関わり方のアイデアを出し、それぞれの視線と手法でまちに関わる・・・。そのためのしくみの実験。
次に、今回のデモンストレーションを知り、興味を持ってもらう人に対しては、主役はまちの人・・・と思って見に来るのでしょうが、観客のつもりで見に来た人も、この街には観客席と舞台の区別がないので、・・・実は劇場の舞台の上に立つことになる・・・という理由で、実は主役にもなりえる。
しかも今回は準備中なので、本番は今後、観客もまちの人も含め、皆さんがどのようにまちに関わり動くかということで物語が始まる・・・ということなのでしょうか。
つまり、
「まちにどう関わるか」それを投げかけている。なぜならば、このまちには無視してはいけない現実が目に見えてそこにあるから。
この上なく嬉しいものもあれば、切ないものもあれば、苦しいものもあれば、戸惑うものもある。
しかし、すべてとても大切なことであると感じている。
しかも無視できないくらいに、風景や人が関わってくる。
もし無関心を装い歩くとしたら、それはわざわざやってきた劇場の中で目隠しをして耳をふさいでしまうようなもの・・・。
じゃあ、今回参加作家とかスタッフとかみんなは何を準備しているのかというと、劇場の大道具の仕込みだったり・・・もうすでに大道具はそこにあるのですが、掃除したり、ちょっとだけ追加したり・・・、小道具の準備だったり・・・これもすでにめちゃくちゃ興味深いものであふれているのですが・・・出演者(まちのひと)の紹介映像を撮ったり、劇場の受付とか休憩所をもうけたり・・・、ガイドマップをつくったり・・・。
ほんの少しだけまちに手を入れて、もっともっと感動的な物語が発生するようにしている・・・のかな。
とにかく現在の多くの街が隠蔽してしまった、あるいは拒絶してしまった無視すべきではない現実がそこにある。
・・・他のアートプロジェクトにはないものがある・・・というか、あるものがない・・・というか。
このエリアに足を運んだことのない人、おなかをすかせてやってきて、ぜひ、まちを楽しんでください。食べ物はかなり安くておいしいです。
新世界・山王・飛田・太子はまさに「まちが劇場」です。しかも準備中です。ずっと。