飛田会館議会室40年のほこりにまみれる。
2008年 10月 07日
・・・という話は1998年、今から10年前の福岡で開催されたミュージアム・シティ・福岡で盛んに語られていたこと。
当時僕らがはじめた「Plant Demonstration」という街で活動を行なうシステムの活動の基本も、「清掃・整備活動からはじめる」というものだった。
・・・もちろん、「掃除と挨拶が基本」というのはアートプロジェクトだけのことではない。社会との接し方、自分との接し方の基本なので企業でも行政でも、どの現場でも必要最低限のルールであるが、「何かをつくる現場」ではそれ以上の深みがある。(あ、企業も行政も何かをつくる現場ですが・・・)
実際、いい職人の工房も、いい料理人の調理場も相当手と神経が隅々まで行き渡っていて気持ちがいい。
しかし、この基本がなかなかできないのが若者。・・・その意味では僕もまだ半分若者かな・・・?
まちに手をいれる、てをあてるという行為のもっとも簡単なきっかけが「清掃・整備をする」ことだと思う。掃除をされる側で、これを断る人は多分少ない。
もちろん清掃整備にはかなり高度な作法が必要であるが・・・。
40年分の埃が何層にもなって重なり、雑巾がけだけではとてもではないがきれいにならず、床や机、椅子は真鍮ブラシで磨いて埃を削りだす状態からはじめる。
天井の仕上げ塗装も剥がれ落ちそうな部分を粉塵まみれになりながら削り落とす。
思いのほか大変な作業。
手をいれることで空間は劇的に変容し、そこで何か新しい活動が生まれるという期待感の発生を体感する・・・たぶん無自覚だろうけど・・・
この「なにかができそうな期待感が盛り上がる時間」がやめられないんだと思う。
つくるということは・・・期待に向かう充実した時間をつくること・・・なのかな。
しかし、この空間はそれだけ期待させる空間であることは確かである。
学生を連れてきた高橋君も何かそこに仕掛けようとしているのかも。
僕自身は、まだまだ椅子とか床とか磨き足りなかったし、それにつながる廊下とかベランダとか、天井の穴とか・・・もっともっと手をいれたい場所がたくさん目に付いて仕方なかった。
そういえば、最後まで未練がましく手をいれていたのは僕だったと思う。
・・・・
ここで一ヶ月、ずっと空間を触らせてくれたら、相当いい空間にする自身があるのですが・・・。
もちろん、最初には何のビジョンもイメージもないところから。
もっとフェティッシュに空間を触りたいですね。
そんなこと、一度どこかのレジデンスにでも参加してやってみようかな・・・。
できれば、廃墟がいいなー・・・。