曽我ドンの傘焼き、大盛況なのは嬉しいが、来場者が多すぎてこれ以上は危険
2008年 07月 20日
もうこれ以上は無理です。かなり危険な状態で、ひやひやものでした。これだけのイベントで警備員も誘導係も準備していませんから。・・・っていうか、これだけの人手、去年はまったく予想外だったので仕方ない。しかし、今年はある程度予想できたはず。高麗橋の上は人が車道にはみ出す寸前。
川の周りを人が埋め尽くし、なんとなく観客同士のいざこざも。一時間以上待たされて、でも移動するとせっかく陣取った場所をとられてしまうので移動できず、いらいらしてくる観客も。決して心地いい空間とはいい難い。あきらかにこの河川流域を場としたイベントの人数のキャパシティを越えている。どこで事故がおこってもおかしくないし、けが人がでてもおかしくない。
そうなんです。河川流域の整備が悪すぎるんです。そういえば、1993年の水害以降、鹿児島県は専門家の意見を無視し続けて、鹿児島市の中心部を流れるこの川を河川というより巨大な溝として大規模な土木工事を行って整備してしまったのでした。
もう忘れかけていましたが、当時僕は鹿児島のこの川のすぐ近くの実家を改装して事務所を構え、カフェを経営していた関係で、随分とその河川改修工事の方向性に対して反対運動を行いました。当時、この傘焼きの向こう側に写っている橋は高麗橋という江戸時代につくられた立派な4連の石橋(めがね橋)が現役で車道として利用されていた。まったく無傷で。しかし、今はご覧のとおりの普通のありふれた道路に・・・。
1993年8月6日の水害以降、激甚災害特別事業予算を国からもらってしまったために当時この川にとてもいい状態で残されていた5つの石橋を取り壊して大型の溝として整備する河川改修工事を始めることになった。・・・この話すると長くなるのでこのへんでやめよう。・・・ちなみに僕が鹿児島を離れる原因のひとつはこの河川改修工事でした。
とにかく、溝として整備されているので、手すりに観客が群がっても水面で行っている傘焼きの行事はとても見づらくて、後ろから押されるととっても危険。
去年、予想をはるかに上回る観客だったので、それを見越して今日は川に面した手すりの灯明を全部内側の暗いところに移動。 さらに、通路と動線を確保してその部分には灯明を避けておいた。しかし、それでも去年より倍程度の人手のために、さらに危険度が増す。
今後、同じやり方では絶対に行うべきではない。
たぶん、傘焼きの伝統行事と灯明は同時に行うべきではない。
観客を分散させて、もっと情緒を楽しむような仕掛けにシフトすべきなんじゃないか。
参加の高校生や高校の先生とは一度ちゃんと意見交換の場を設けてアイデアをもっと盛り込むべき。もっと学生が自由に面白く展開できるような面白いプログラムを開発すべき。
ちゃんと県内全域の高校生、大学生によびかけ、小中学校にもよびかけ、郷中教育が実践してボーイスカウトへと影響を与えたといわれる上下のつながりを大切にするシクミを・・・地域というコミュニティから一度はなれ、新しい形で再構築するシクミを模索するべき。
各所にワークショップのテントを設けてそこで和傘を制作するコーナーとか、もっと画期的な灯籠系の制作コーナーなどを開設し、もっと自由に市民の主体的な関わりや参加を誘発するシクミを増やすべき。
川面、水面を利用したプログラムをもっと開発すべき。・・・
あー、いろいろあるなー。同じのを頼まれたら、次はちゃんと断ろう。
もっとディスカッションの場を経てもっと違う形の実験を行うような状況ができれば次の段階として関わることにしよう。専門のコーディネーターとデザイナーをつけてちゃんした活動ができる方向性が見えるまで無理だろうな。
しかし、事故がなくてよかった。もうちょっとで大変なことになるところだったような・・・。
そういえば明石の花火大会での陸橋での事故があったなー。恐ろしい。
ということで鹿児島の実験、大成功だったのか、それとも・・・。とにかく次にどう展開するかが大切で、そのために、どれだけ高い意識を持った人が関わるかが大切ですね。
もっと若い人が関わらないとだめだろうね。