自宅の細部を防災の視点で紹介してみる。その2
2007年 12月 22日
ただし、若い頃のパプアニューギニアでの暮らし方や、東京での取り壊しになる廃墟を転々としていた暮らし方、鹿児島での水害体験、福岡での地震体験などが自然とこの暮らし方を滲み出してきたのかもしれない。
この前に続き、福岡の糸島郡の自宅の様子を防災の視点で撮影して周り、紹介するその2。
このなかからいくつか1月に始まるHAT神戸の防災EXPOで紹介しようと思う。
会場では皆さんから防災に役に立つ小さな知恵を集めていますのでよろしく御願いします。

かれこれ30年前からタンスを持っていない。タンスがないのでタンスが倒れることはない。
服は部屋の一部にバーを取り付けそれにハンガーで掛けている。プラスチックの衣装ケースを各自4つ。この服の下においてつかう。
この暮らし方は引越しが楽なので20年前から続いている。

この収納されている事務用のボックスは実はぼくがバブル時代に最初に就職した会社のもの。150人いた社員の事務所がバブル崩壊に伴い10人程度に縮小してゆく整理の中で、ぼくが借りていた倉庫に廃棄処分されそうになっていたオフィス家具の一部。
この事務所用の引き出しが食器整理にはとても便利。
この中に33個のグラスが収納されている。

で、この引き出しの中にいかに多くの食器をストックできるかというところが僕のフェティッシュな領域。
この引き出しとコレールの薄型の皿の組み合わせがとても気に入っている。
ちなみにこの中には40枚の皿とマグカップが6個収納されている。

ちなみにこの中の食器で20人ぐらいの宴会は普通に対応できて、40人ぐらいの立食パーティは大丈夫。 プラスチック食器は汚れを落としにくいが、コレールは洗い易く重ね易い。
もちろんイザとなって持ち出すときも効率よくたくさん重ねて持ち出せる。

台所の流しの横には1997年からはじめてもう10年以上も続けている家庭からの廃棄物の分類、干し場がある。
ここは素材の宝庫。イザとなったら役に立ついろいろな素材が分類されてストックされている。
本当にすべてのものが素材として回収される日を待つ。
意外とこれらが新エネルギーとして役に立つ日が来るかもしれない・・・と期待しているのだが・・・。

このトイレは水が流れなくなっても何の問題もない昔ながらのエコロジカルなタイプのトイレ。
タンク内で換気扇が廻る仕掛けになっていいて匂いはトイレの中に吸い込まれるので意外と匂いがない。
くさいものに蓋をしたり、汚いものを覆い隠す生活スタイルが子どもの成長にとって良くないのではないかとまじめに考えた時期があり、子どもを育てる環境として意図してこのトイレのある家を選んだのは本当のこと。
強風や豪雨の恐怖や、くさいもの、腐るものと共存する意識が芽生える生活環境が大切なのではないかとまじめに考えていたが・・・どうだろうか?

これは福岡の地震で天井と床が崩れ、雨漏りをしていたのでその修復からうまれた半分外の屋内?
風が入り込み、冬はなかなか厳しい部屋だが、地震の結果できた空間として大切かな・・・と。
イザとなったときの避難路にもなる。

上の部屋の床の間には大型のバールが飾られている。(いちばん左の棒状のもの)
・・・問題はこの部屋が一番崩れ易いかもしれないということ。
バールは玄関に追いといたほうがいいかな・・・防犯にもなりそうだし・・・。

本棚というより、資料をストックしている棚だが、普通のツーバイフォー材で部屋に組み込んでいる。
一番上まできっちり詰め込むことで落ちることがない。落ちてもたいしたことはないものばかりだが・・・、本当は全部ちゃんと整理して処分しなければね。
廃品回収に出したいなー。

部屋のいたるところにランタンが常備。
コールマンのランタンを使ったことがある人はその明るさに驚いたことがあるはず。
パプアニューギニアの田舎の生活では文明的な金持ちの家にあるのがランタンだった。
夜は早く寝るのが基本だが、ランタンをつかってすごす夜はなかなかいい。
停電になると喜んでこれらが活躍する。(たぶん、ランタンは屋外で使用するように注意書きされていますが・・・。)
そういえば今日は冬至で100万人のキャンドルナイトだとか。
キャンドルの光りもいいが、ランタンの光りはまた別のもの。
光りを楽しむということは暗闇を楽しむということ。
日常的に暗がりを楽しむ生活も必要。

この電池式のライトがまた役に立つ。
皆が寝ているときに先に着替えて出てゆくときにこのランプをつかう。(なんだかさびしいね。)
電池式だが、最近家の電池はすべて充電式に変えているので電池の消費を心配しなくてもよい。
寝室のテントから出たところに常備して、日常つかうようにするととても便利。

リヤカーはいい。リヤカーからいろいろな可能性が拡がる気がする。
何がきっかけでこのアルミ製こ小ぶりのリヤカーを購入したか忘れたが、とりあえず、毎月子ども達が廃品回収のときにこれをひっぱって町内をまわっている。
これをひっぱっていると子どもはかならずのりたがる。
リヤカーと自転車の組み合わせの表現をまだまだ極めていない。
もちろん、イザとなったら大活躍するに違いない。

さらに機動力を求めるとこの一輪車。
これも基本中の基本のアイテム。
農家にはかならずあるが、都市生活の中ではなかなか見られない。
これをマンション生活のなかにいかに組み込むかが21世紀のデザインの課題か!?

車はいつでもキャンプ生活ができる備品が詰め込まれている。
ナイフ、食器、スコップ、ほうき、ランタン、懐中電灯、望遠鏡、ライター、鍋、鉄板、フライ返し、食器洗いの洗剤、タオル数十枚、工具一式、クーラーバッグ、メジャー、のこぎり、100V電源、携帯充電器、湯沸しやかん、シート、寝袋、救急薬品セット、虫除けスプレイ、蚊取り線香、ティッシュ、ラップ、アルミホイール、ロープ、紐、ラジオ、ガムテープ、ビニールテープ、はさみ、マジック、水筒、水、かさ、レインコート(家族全員分)、カセットボンベ、カセットコンロ数種類、ホワイトガソリン、なぜかカイト(凧)、フリスビー、運動靴、まだまだあるなー・・・
燃費悪そう・・・。

自宅から車で10分、あるいて2時間近いところにある事務所および制作スタジオ。
もと養鶏場のあとで、一通り生活できる道具や材料が揃っている場所。
イザとなったらここで暮らすのもいい。
生涯使ってもなくならない量の作品の素材が眠っている。(この10年溜め込んだ廃棄物素材のこと。)
ここに1年ぐらいこもって仕事してみたい。