新作「管巻三十郎文庫」について
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僕にとってイイ空間って何かを考えてみると・・・、

結局10代、20代の感性豊かな頃に体験してきた空間で・・・

美味しいコーヒー(お酒)と 心地いい音楽と、拡がる窓からの眺めと、いい本と・・・。

静かな時間と・・・。

学生時代、本が好きというよりは本が並んでいる空間が好きで・・・本はイメージをかきたててくれます。
何か自分の可能性を引き出してくれるような・・・で、図書館と本屋をどれほど通ったことか・・・。

僕にとっての理想の共有空間はまさに興味深い本で埋まったカフェ空間。

本の質感はつまり紙ですから、妙に落ち着くわけです。

紙はそもそも木ですし・・・。

そういえば・・・僕が大学入学の頃まではまだジャズ喫茶が全盛で、壁一面にレコードがある空間がありましたが・・・レコードジャケットも結局紙だし、大きさが揃っていたわけだし・・・。

最近はCDになってプラスチックの質感になりましたが・・・

もっといえばデジタル化で質感すらなくなってきつつありますが・・・

で、僕自身が近年試みてきた「分類して並べる」という表現手法をこの管巻三十郎文庫」では実現しています。

しかもこの旅館にあった誇りまみれの廃棄処分を待つばかりのテーブルを並べて重ねて作った本棚。

その補強の為にさらに本が利用されるという長年の適正技術。

一部読みたくても読めない本もいありますが・・・、まあ、ご容赦ください。

で、なんといってもこの本の持ち主がこの櫻島プロジェクトがきっかけで櫻島に移住してきた評論家であるいということ。

彼が数十年にわたりコレクションし、東京のワンルームに積み上げられていた本を並べることで彼と僕との関係においてこの表現は確実な価値を生み出すはずであるという確信のようなもの。

作品は「との関係」において価値が変わるということを表現したかったのかも・・・。

個人の価値観でコレクションされたものって嘘がなくてとても信頼できていいですよね。個人のプライベートを覗き込むようなドキドキ感もあります。

しかしよく集めたものですね。これまでの収入のかなり多くを費やしていますね。

とにかく、桜島にこのような共有空間を実現できたことが僕はうれしいことです。

これに刺激されて、ここから何かが生まれることを期待しつつ・・・。

「管巻三十郎文庫」という作品でした。

さて、この作品が展覧会以降どうなるのか・・・、それが心配です。
by fuji-studio | 2007-07-16 23:59 | ■桜島での活動


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