人気ブログランキング | 話題のタグを見る

美術館をつくるという設計の課題

美術館をつくるという設計の課題_a0010575_17533024.jpg
九州大学の建築学科での授業、美術館をつくるという設計課題の最終講評会があった。

学生にとってははじめての設計課題で思い思いの提案をおこなう。

いや、とても新鮮で刺激的。


美術館をつくるという設計の課題_a0010575_1754284.jpg
いや、なかなかバリエーションがあり、それぞれの特性が垣間見れて本当に面白かった。 

まさにイメージが発生してくる現場。

まだまだ未熟であるがゆえに可能性だけは大きい。


美術館をつくるという設計の課題_a0010575_175456100.jpg
学生の提案を見ていると、以前のような権威的な構造を持つ・・・というより…、権威を作り上げる装置として美術館を捉えている学生はいなくて、美術館が日常に開かれていたり、入り易かったり、溶け込んでいたり・・・ほとんど広場感覚で美術館を捉えているのに驚いた。 


美術館をつくるという設計の課題_a0010575_17593939.jpg
これは僕が最初に妙な話をしたという影響も大きいとは思うが、彼らにとって美術館はすくなくとも高尚ナニモノカがありがたく飾られているところなのではない。


美術館をつくるという設計の課題_a0010575_1801360.jpg
日常の延長にありながら、日常に刺激を与えたり、日常を超える空間であることは理解しているところが興味深い。

でも、人生を狂わせてしまうほどの空間体験をした人は少ないんだろうな・・・。


美術館をつくるという設計の課題_a0010575_1803283.jpg
インターネットで作家のことを皆それぞれにリサーチし、美術館というものを既存の価値観にとらわれずに何の先入観もなく展開する。


美術館をつくるという設計の課題_a0010575_1805084.jpg
これが建築の設計の授業でなく、僕のアートプロジェクトの授業ならばまったく違う話をしていたに違いない。

「空間が人にどのような行動を与え、そこから何が生まれてくるか! その装置を考えよ!」・・・とか・・・面白そう。



美術館をつくるという設計の課題_a0010575_1815420.jpg
色がいいとか形がいいとかの問題ではなく、かといって人がどのように生きるべきかの問題でもなく、・・・

人と人が関係することで何が起こるのかの問題…。

そんなことをつらつら考えながら、改めて建築のあり方と可能性について思いをめぐらしていた。

この学生の中から、将来一緒に仕事をする人がまたまた発生してくるのかな。

きっとそうなんだろうな。

今までもいつもそうであったし・・・。
by fuji-studio | 2006-11-30 23:31 | ■福岡での活動