展覧会の他の出品作品について簡単に紹介。
2006年 06月 18日
二丈町の海に面した露天風呂(喜八荘)で一緒に夕日を眺め、その後家で宴会!というパターンにはまったことのある作家シュ・ビンの作品。アルファベットを漢字風に表記する文字は秀逸!(京都芸術センターのカフェの看板の文字にもなっています)
で、この作品は中国の本からある一文を抜き出し、それを英語に翻訳し、さらにその英語をフランス語に翻訳→スペイン語→ロシア語→イタリア語→日本語→タイ語と繰り返し訳した後、さらに中国語に翻訳し、最初の文章とまったく内容が変わっている様子を展示しているというだけの作品。
僕には中国語が読めないのでその違いをみることができないが、途中、日本語があったので、一生懸命に読んでしまった。しかし、よく考えてみるとここで日本語を読んでその文章の意味を理解したところで何の意味もないことに気づき…そんな感じのおもしろい作品。
ああ、説明しすぎた。あとは簡単に説明しよっと。
シュビンの作品はやっぱりいいな。
会場入り口でインパクトを与えている彫刻作品。彫刻というよりフィギア系?もしくはマトリックス系? デジタル系?る様な作品でもしっかり手仕事の作品。
オランダ在住の作家。中国の昔の陶器の人形のようなものを現代風にアレンジしたものを製作し、それを2個選んでつなぎ合わせ、ビヨ・ビヨっと空気で音が鳴るおもちゃを製作して会場で販売している作品。
子ども達に絵本を読み聞かせしてその物語を聞いた印象から子ども達それぞれが自分の絵本を製作するという作品。北京在住で中国の美術教育にいろいろ関わる活動を行っているとか。学生時代日本に留学して(多摩美→筑波)日本画を勉強していたとか。
日本人の奥さんと2人の子どもと北京に暮らす作家。僕とおもちゃやぬいぐるみなどかなりかぶっている。自分の子どものおもちゃの絵を描いている作品。入り口の天井にもおもちゃをぶら下げた空間をつくっている。当初のプランができなかったのだとか。
ゴッホの絵画「ひまわり」をとてもチープな紙の素材でデジタルイメージをコラージュして再構成するような作品
オリジナルな動物のような彫刻に子ども達に勝手にペイントさせて作品を完成させようとする作品。
韓国から出品の作家の作品。デジタル顔出しみたいなもので、いすに座り撮影すると羽が背中について天国に行けるというチープな作品。
インターネットゲームを作っている作家の作品。彼はサイトを持っているのでそこから楽しんでみてください。
あと他にもインタラクティブ系がいろいろあったが、混雑していてちゃんと体験できなかったのであとは省略。
しかし、やはり今回のフォンボイのキュレイションはみごと。バランスがいいのはやっぱり編集の仕事からきているからか。予算が極めてすくないのは作品をみるとわかる人はわかると思うが、少ない予算の中で最大限の効果を作っているようにも見える。
会場の配置に無駄がない。作家との信頼関係があり、ごく自然に展示をすすめている。(…僕の展示の会場が決まったのは1週間前ぐらいだったけど…)そういえば日本で雑誌の編集者がキュレイションしたケースってどれぐらいあるのかな?
「編集者出身のキュレイションの展覧会は見やすい。」ということを再確認。どれだけ展覧会で深めるのかという問題はあるが、深める視点をどれだけの観客が期待しているのかも疑問。
そうか。研究者が展覧会を企画するから難しいなじみにくいものになりがちなのかな。展覧会企画屋が企画したものはイメージの消費が目的のようなところがあるし…。
たとえば、村田さん(村田真)とが展覧会つくるとどうなるか興味ありますね。
ということで中国シンセンでの展覧会レポートでした。
中国の作家も彼のサイトの中で写真を紹介しているので参考までに。