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あまのくん

あまのくん_a0010575_2365396.jpg写真は神保町のとある出版社でカメラマンをやっているあまのくん。

夜中の2時に飲みすぎて帰ろうとしていると雪が積もっていて思わず撮影。

彼は僕が1988年に東京の会社に入社したときの年下の先輩社員。その後一緒に小さな都市計画事務所に移動。92年の6月まで一緒に働いたかなり縁の深い同僚。

当時はおそらく2食以上は一緒に食事をし、ほとんど夕方には一杯やって、また事務所に戻って夜中まで仕事して、へたすれば1日20時間近く一緒にいることもしばしば。

土日もなく働いていたし、土日遊ぶときも一緒だったり・・・。当時の僕の展覧会の撮影は必ずしてくれたし、作品制作も当たり前のように手伝ってくれた。そして数々の引越しの手伝いも。

職場の同僚という存在は恐ろしい。特に小さな事務所だったからもちろん机は隣。事務所の中だけではなく、日本各地の出張はもちろん一緒。なぜかニューヨークやマイアミやサンフランシスコへの出張も一緒に行った。朝方近くまでの残業も一緒。家族よりも妻よりも、一緒にいた時間は長いんだろうな。それが性格的に嫌なやつだったら相当不幸だろうが、僕の場合は幸い不幸を感じたことがなかった。

で、おたがいに職場が変わり、たまに神保町で時間にスキマができるとあまのくんを呼び出して一緒に飲む。今晩も、あー、良く飲んだ。おまけにお金を高めに払ってもらった。

悔しいが、僕が多めに払うことはほとんどない。そのうち出世したら・・・と昔は思っていたが、出世なんて無縁の世界に入ってしまった今となっては・・・。

そのあまの君、まじめにこつこつ働き一見地味なタイプのやつだが、僕の周辺では一番充実した、いい仕事をしているのではないかとうらやましく思えることもしばしば。
昔から好きで得意なカメラマンとしての仕事を続けているし、それだからといって、カメラマンとしての自分の作品を発表しようという欲があるわけではない。
出版社の社員なので金銭的にも安定していながら、純粋に必要とされるベストな写真を撮ることに情熱をかけている。
・・・これってやはり人間の性質(たち)から来るものなんだと思う。とても良質な性質(たち)かも。

彼の勤める出版社がスポーツ関係の本をつくることも多いらしく、スポーツ選手の撮影も多く、僕はほとんどそっち関係には疎いので話をされてもちゃんとその価値を理解することはできないが、昨日は松井の撮影をだったとか。今日(2時過ぎまで飲んでいたので・・・)はとあるホテルの1室でイチローの撮影なんだとか。それぐらいは僕も知っているので、そりゃなんだか凄い。でもそんな仕事ひかえていてこんなに遅くまで飲んでいてもよかったのかい?

なんだかそんな感じがいいのだと思う。淡々といい仕事を繋げて、自分の仕事の質が自分の出会いを広げて、その本人と周辺の人の記憶と誇りに染入ってゆくかんじ。
by fuji-studio | 2006-02-07 02:00 | ・縁の深い人・家族