バングラデッシュの下見
a0010575_23545093.jpg1998年、福岡市の中洲川端に再開発で博多リバレインという建築にアジア美術館が作られつつある頃のこと。

アジア各地に広がった「リキシャ」に興味をもち、博多駅から中洲川端、天神、キャナルシティを結ぶ「リキシャ専用道」とバスストップならず「リキシャストップ」がつくれないかと夢見た。

そのイメージの元が1994年のアジア美術展でのバングラデッシュのリキシャとの出会い。その後アジア各地のリキシャのリサーチを行いたいと、とある財団の奨学金を応募したが見事に選出外。あせることもないだろうとその後、アジア各地からのオファーはなるべく断らない方向性で出かけるようにして、いまだにリキシャに注目している。

そして今回、バングラデッシュビエンナーレへの出品依頼を受けて、ようやくリキシャのメッカ!?バングラデッシュのダッカをおとずれることができて、実はちょっと感激。

すごい!予想を超えるリキシャの渋滞。リキシャの密度。リキシャが氷河の流れのように塊となってゆっくり流れている。あらゆる国のあらゆる地域でリキシャは減少の傾向と聞くが。ダッカはすごい。 しかし、その街に関わろうとすると相当なエネルギーが必要だろうな。情報として街に関わるスタイルを作り出すのは簡単だが、そんな仕事はしたくないし、実際の街の構造の中に入り込むような仕事をするとすればそれなりの時間と覚悟が必要となる。これまでもブラジルのサントス、タイのチャンマイと夢見かけたが途中あきらめた経験もある。・・・うーん、どこまで仕掛けどこまで関わるのかその距離が難しいところ。


a0010575_022625.jpgところでバングラデッシュのビルは作りかけのものが多くて気になる。

コンクリート建築は当たり前のようにその上に増築されている。今問題になっている耐震構造計算なんてものは・・・? しかも足場は建築物の途中から竹製の足場が組まれているので驚く。・・・下をあまり歩きたくないなー。でも、建築物もこうやって付け加えたり、改装したり、一部取り壊したりできるものなんだということを当初から想定しておけば、結構自由なものなんだろうなぁ~。

a0010575_15195489.jpg今回は第12回バングラデッシュビエンナーレへの出品の調整の為の出張。ビエンナーレというのは2年に一度開催される展覧会。で、前回は森司がキュレイターとして指名され、椿昇さん等3名の作家が指名され出品した。

今年キュレイターとして指名されたのは美術館学芸員ではなく、東京のアート系NPO「AIT(Arts Initiative Tokyo)」。

国際交流基金がそのキュレイションを美術館学芸員ではなくNPOに依頼するのははじめてのこと。で、そこから指名されたのが僕とニューヨーク在住の照屋勇賢さん。

照屋さんとは1996年に東京の国際展示場での展覧会とその後の灰塚アースワークプロジェクトで一緒になったことがある。その後アメリカに留学して、そのままのアメリカ暮らしとか。久しぶりに会えてうれしい。 
 

a0010575_032961.jpg成田空港が大雪大混乱の為に1日遅れでバングラ入りしたAITチームとビエンナーレ会場となるShilpakara Academyの代表のSalahuddinさんを訪ね、今回の展示会場を案内してもらう。で、会場のひとつの国立博物館も訪問。その館長のMahmudul Haqueさんは筑波大学に留学していたとかで、日本語を話し日本びいき。 
 

a0010575_15211149.jpg とにかく、会場の下見にまで来るところは他にはないみたいで、一番きれいな吹き抜け空間を彼等の権限で使っていいよと保障される・・・。うーん、何か問題があるような気がするが、まあ、いいか。
で、話の中で当たり前の話のように「あ、展覧会のオープニングは3月5日になったから・・・」と。「総理大臣がその日しか出席できないんだよ・・」だって・・・。うーん、何か問題があるような気がするが、まあ、いいか。


a0010575_15343382.jpgところで、この地図は会場に掛けるために作られつつある今回のビエンナーレの出品参加の国を伝えるための地図だと思うのですが・・・、何かがちがう! っていうかかなり違う! まあ、いいっか・・・。

日本大使館にも一応挨拶に行ってみると、テロによる爆発が結構頻繁に行われてとかで、会場に観客が持ち込むもののチャックをどうやるか等の警備体制の話。展覧会にも充分な警戒が必要であるとのこと。うーん・・・、事前にかえっこのプログラムなどの資料が大使館に渡っていて、それを意識しての・・・、つまり、あまり無理していろいろな仕掛けはしてほしくないということですね。昔だったらここぞとばかりに反発してましたが・・・、でもまあそこから何が出てくるわけでもないし・・・、まあ、いいっか。 しかし、なんとも恐ろしい街になっている。世界的に危険地域が増えているのかな?


a0010575_05198.jpgしかし、ダッカ市内、どこにゆくにも渋滞。移動の時間が久しぶりのすごいストレス。 
ダッカを拠点としていろいろな活動を展開している現代美術系のグループの「Britto Arts Trust」の拠点を訪ねてみたが、ここがまたなかなか分かりづらく2時間以上かかる。そこは94年にアジア美術展で一緒に出品したマブドゥル・ラーマンをはじめ何人かのアーティストが運営しているレジデンス件スタジオ件オフィスのようなところ。僕らの為に作家が10数名集まってくれてプレゼンテーションをしてくれる。で、ご飯も準備してもらいご馳走してもらい、ウイスキーとか、テキーラまで用意してくれて大歓迎をうける。お酒は禁止されている国のはずなんだが、外国人はいいのだとか・・・。

皆の作品の説明を聞き、僕等の作品の紹介をし、ビエンナーレについての状況を聞き、ビエンナーレ以降に一緒に活動する可能性を探るもっとも重要な時間。いや、皆魅力的な作家ばかりですごくいいかんじ。そうそう。話していたときは気づかなかったが、前回ビエンナーレで大賞を受賞した作家もそのなかにいた。で、今年は彼等が出品するという映像のプロジェクションの作品も見せてもらう。

a0010575_064963.jpg しかし、やはり目に入るのはゴミ。川沿いとか、道端とか、端によどんでいるゴミのかたまりがついつい気になる。
しかし、最近ダッカでは環境問題にずいぶん力をいれているとかで、そういえば排気ガスがインドのデリーやパキスタンのラホールように気にならない。
天然ガスを使うように奨励しているとかで3輪のタクシーとかは全部天然ガスだとか。
ポリ袋も排除していて紙袋や麻の網袋を使っているのが目に付きおもしろいが、やはりゴミのあるところには相当大量のゴミが溜まっている写真は川に浮かぶゴミが川を多い尽くしている様子。あー、気になるなー。

a0010575_082560.jpg駆け足でわずか3日間バングラデッシュの気になる拠点をまわり、1ヶ月後にはまた設置にゆかなければならないんだなー。うーん、何をどのように仕掛けるか・・・。難しい。

ところで、この写真を撮った席ですが、シンガポール空港にあるインターネットが接続できる電源もとれるテーブルのところ。ダッカ行きの待合のときも同じ机に座って3時間ほど仕事をし、帰りもまた同じ机に座って2時間ほど仕事をした。いや、いい事務所だったな。そういえば都市空間のいろいろな施設の中に事務所として使える空間が増えているような気がする。もっともっと増えればいいのに。
by fuji-studio | 2006-01-27 00:08 | ■バングラデッシュビエンナーレ


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