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養老天命反転地での説明会開催

養老天命反転地での説明会開催_a0010575_1043681.jpg養老天命反転地というのが突然岐阜県の養老公園に登場したのは1995年ちょうど10年前。荒川修作とマドリン・ギンズが長年構想してきたモデルが形となって出現した。
それがどのようなものかについては養老天命反転地のサイトをたどってもらいたいが、完成当時、僕にはそれが1分の1模型に見えて仕方なかった記憶がある。
養老天命反転地での説明会開催_a0010575_105660.jpgそれ以前に彼がその構想としてつくったCGやコンセプトそのもののイメージがまさに彼の作品。その意識を伝えるための模型としてその空間は具現化されていると捉えている。その当時はまさに色も塗りたて、植物もひょろひょろで芝生は今にもはげそうで、廃墟としてつくられた構造物がやたらとうそぽかった。

養老天命反転地での説明会開催_a0010575_1053519.jpgそれが10年で木々が成長し、廃墟はまさに廃墟っぽくなり、いい感じになってきている。今回はそこでの展覧会とワークショップを依頼され、養老天命反転地とその周辺施設を使った参加自由の1日だけの展覧会を行う事にし、一般公募を行い、その説明会が開催された。岐阜を中心に活動している作家や関西の若手作家、これから制作活動を始めようとしている作家の卵など数名が説明会にあつまり、養老天命反転地の空間の刺激をうけてイメージを膨らます。家族連れやカップルが多く時には1日2000人以上来場するという不思議な施設。表現者にとってはその空間に関わる仕事はかなり刺激的なはず。

養老天命反転地での説明会開催_a0010575_106024.jpgある種の虚構(フィクション)が、それなりの現実性を帯びるには時間という要素が不可欠なのかもしれない。時間という力は恐ろしい。以前より、生物が遺伝子を残し、次の生命を誕生させ、そこに存在するという事実以外のほとんどのことが「虚構/フィクション」でしかないと考えていた。その意味あらゆるものごとが虚構から発生している。とりわけ都市は虚構の集積から始まる。しかし、年月はその虚構にリアリティをもたらす。年月というより、そこに関わる多くの人間の関係性がその場に経験値を与え、その蓄積が妙なリアリティを与えているような気がする。そもそもピラミッドもスフィンクスも奈良の大仏も広隆寺の弥勒菩薩も三十三間堂の千体の千手観音も竜安寺の石庭も(このあたりは個人的に学生時代とても影響を受けた空間)ある個人の妄想から始まった「大いなる虚」なのだろうが、それがイメージとして人間を媒介として連鎖し人々の意識を作り出し、価値観として固着し、展開され、長い年月にわたり受け継がれ、今となってはだれも「まっかなうそ!」とはき捨てる人はいない。空間がものがたり、訴えかけてくるからだろうが、そのメカニズムについては不勉強なので僕は知らない。そのプロセスの導入が養老天命反転地にはあるのかな?  とにかく3月26日、かえるで変わるのかな? 
by fuji-studio | 2005-02-28 11:30 | ■岐阜の養老天命反転地