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メルボルンの中心街にカエルのテントが。

メルボルンのど真ん中にあるアートセンターのキュレイターから連絡が来たのはもう2年ぐらい前のこと。

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実は僕は近年、どんどん海外からの仕事が苦手になってきてほとんど無視したり断ったりしている。国内にいてもなかなか自宅に戻れないし、自宅のスタジオにこもって仕事するのが一番いい環境で仕事ができと思っているし・・・(いや、本当に半年以上も使っていないのに家賃だけは払い続けている自分のスタジオで仕事がしたい。)

しかも近年は特に地域系の人とびっちりとディスカッションを重ねて何か活動を立ち上げようとする方向で動いていて、日本の国内のかなり深くかかわっている地域ですら難しいなぁと感じているので、文化も違い、さらに活動が連鎖し、面白イ活動が派生することが期待できそうにない海外での短期間の仕事なんて、まったく興味の対象外だった。


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短期の滞在では地域のツボもわからないし、地域のキーパーソンすら出会えない。というか、地域に普通に溢れている素材のことすらわかりにくい。

昔は開発途上国に興味を持っていたし、アジアの状況に興味を持っていたので積極的に出品参加した時期もある。しかし、アジアの経済状況も随分と変わり、むしろ日本の地方の方が結構リアルに問題をいっぱい抱えていて僕としては関わりがいかあると感じている。


・・・ということで、パプアニューギニア時代には好き好んで旅したオーストラリアのメルボルンの仕事だったけど、どうにか自然と断れないかと…話をすればするほど、またこれが断り方が下手でますます興味をもたれて、去年の6月に約一週間招待されてリサーチをすることになった。


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結局、ますます断れなくなり、地元で活動するアーティストグループと一緒にやるなら・・・と消極的な条件を出しつつ…そのうちそのアーティストグループが全面的にやってくれないかな…などと考えていた…が、甘かった。

結局、十和田市現代美術館での仕事や新潟での水と土の芸術祭、そして東京の千代田区のアートセンター3331での個展の最中という異常に忙しい状態を振り切ってメルボルンに来てしまった。


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とにかくこの川沿いの新しくリニューアルオープンしたホールの外に何かありえない風景を…しかもこのホールの廃材を使って地元の子ども達や高校生、大学生と一緒に作り上げなければならないという結構大変な仕事。

なかなか難しい課題。ほとんど自信がないのもまた珍しい。設定条件が違うのかな・・・?

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アートセンターの芝生の部分に…これは僕のリクエストだったけど…公開制作用のテント3つ立てて、ひとつはインフォメーションブース、ひとつは制作工房、ひとつは素材とか作品のストック倉庫として利用し、最終的には川沿いのテラスのあたりにインストールする…という流れ。

今回はたまた3331のオープニングの展覧会で知り合った日本人のアーティストの加藤チャコさんがメンバーの一人であるslow art collectiveというかなりシンクロする感覚のアーティストユニットと一緒にやるというのが唯一の救い。

これ、真冬のメルボルンの寒空の中、一人で制作することを考えると涙ちょちょぎれそうになる。

とにかくやれるだけやるしかない。つくろことに騙されず、がんばろ。 そうか、運動だと思えばいいんだ。・・・たぶん。
by fuji-studio | 2012-08-02 21:07 | メルボルンでの活動