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セントラルかえるステーション、オープンしました。

秋葉原のアーツ千代田3331でのセントラルかえるステーション、わずか3日間の設営スケジュールだったが、どうにかオープンする。

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今回、千代田のアートセンターでの開催ということと、ちょうど小学生の夏休みにあわせた時期での開催ということもあり、いわゆる美術展という雰囲気よりは子ども連れの家族が過ごせる場としていかに開放するか・・・というのが課題としてあった。


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僕個人としては、アートセンターでしかできないようなフレームをつくることに興味があったが、もう一つの事情として、家に山ほど蓄積された膨大な量に膨れ上がりつつあるおもちゃやぬいぐるみをある程度全部展示してみたかった。


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表現は立ち上げるときはとてもビビッドで個人的に熱意があるものの、それが流通する段階になると個人的には興味を失いがちになる。


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2000年に立ち上げたかえっこシステムについては2003年までは積極的に熱意を持っておこなってきたものの、そこから先はかえっこに関わる業務は妻に行ってもらい、僕個人としてはいかにビニぷら、かえっこから逃れるかというのが大きな課題としてあった。


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しかし、そんな思惑とは関係なく、2003年以降、借りていた養鶏場のスタジオは全国から届く返却されたかえっこのおもちゃで山積みになり、作業場が占拠される日々。


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一番のピークは2005年の神戸で開催された神戸かえるキャラバンの終わった後、ほとんど一年間、制作スタジオに制作するスペースがなくなったほど。


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そのあたりからおそらくスタッフにお願いしてハヘン系とM系とヌイグルミの分類をはじめたのだと思う。

同時に金沢21世紀美術館のオープニング展でかえっこシステムが出品され、地域の人たちが主役のイベントとして僕の手から離れているかえっこに寂しさを感じたこともあり、かえっこを「おもちゃの廃材が集まってくるシステム」として捉え直し、個人的な空間づくりの素材として使ってやろうともくろみ始めた。


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パプアニューギニアでであったヤシの林の中の太平洋戦争中の日本軍の戦闘機のイメージや、飛行機の像を神のような存在として崇めるイメージなどから戦闘機と十字架を掛け合わせたイメージの像を1990年代制作し続けていたが、それを鳥の姿に重ねるようになり、それを作りはじめたのが最初。


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しかし、あまりにも多いファーストフードのおまけ系をいじるうちにリングが生まれ、花と鳥をつくるようになり、「花鳥画か!」と突っ込みをいれつつもそれなりにつくる喜びを思い出し…


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妙なもので…福岡の養鶏場跡地に自由に使える作業場を確保した瞬間からモノをつくる興味を失い、対話やシステム構築を主流とする表現活動に向かったものの、作業場がその結果のおもちゃや廃材で埋まった瞬間から、ものづくりに飢えてつくるはじめる…そんなものなのかなと思う。


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そして制作スタジオを確保しつつ、一生使い続けてもなくなることのない大量の素材を手に入れた瞬間に、こんどは制作する時間がないということに気付く。


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可能性と経験値は反比例すると考えている。何もしない赤ちゃんは可能性は100%だが、いろいろな経験を重ねるごとに、その分野での専門性や経験値は高まるが、その経験に付随することに縛られて、結局死ぬ前の瞬間は経験値100%だが可能性は限りなくゼロに近づく。


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40歳を過ぎた頃、峠にいるなと感じつつ、経験に引っ張られる自分に抵抗していたが、それをあきらめた結果なのかもしれない。

とにかくかえっこの藤といわれるのが嫌でそこから離れられない自分が嫌な面もあるが、それを逆転させようと企てたのがこの展示…なのかなぁ。

※ちなみにキャップに埋まっているのは某犬の鳴き声系の建築事務所の塚本さんです。大丈夫か!


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今回は個人で集めた素材だけではなく、展示の外側に隣接して、廃棄物の中間処理業者のナカダイに素材市と素材のリビングルーム(?)を展開してもらっている。

個人で家庭から排出される素材をストックし続けながら、一方で圧倒的な量の産業廃棄物について目をつぶることができなかったことから、ついに2010年の夏、青森ねぶたの廃材を一台分丸ごと貰い受けてしまった。


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じつはこの分野にも可能性や期待を大きく感じている。

ところで、オープニングや平田オリザさんとの対談などにもたくさんの方にお越しいただきましたが、なかなか話ができず、ご迷惑をおかけしました。

9月9日まで展示していますのでぜひ藤家の家の中にストックしている素材の一部…(全部ではないのが凄い!)…を体験してください。
by fuji-studio | 2012-07-15 23:19 | 東京での活動