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AAFSchool AAF10年本の為の「物語をよみとる」講座
4回連続のAAF学校。前回は2日連続だったが今回は一日のみで最終回。会場はなじみ深いアーツ千代田3331。

a0010575_012528.jpgデザイナーで仕事研究家の「自分の仕事をつくる」の本で有名な西村佳哲さんをゲスト講師に招いてのインタビューから出版までの流れを事細かに編集者の影山さんが質問する形で進む。

アサヒアートフェスティバル(AAF)は全国各地で行われているアートプロジェクトのネットワークで、それぞれのプロジェクトの現場では絶対に報告書などには登場しない小さな、しかし大切な多くの物語が潜在している。


a0010575_0131625.jpgそれをどのように導き出し、本としてどれだけ面白く大切なものにできるかが問題・・・

西村さんの話はとてもよかった。西村さんのインタビューする側の態度についての話、心構えのような話は30年前に聞いておきたかった話。

いつでも聞き手は強者の立場であり、語り手は不安要素を抱えた弱い立場にいるということへの自覚。聞き手のやってはいけない態度。そしてさらにインタビューした素材をどのように文章化するのかの秘密のメモまで公開していただき本当に興味深かった。

インタビューと取材の違い。思考レベルを聞き出すのではなく、感情の前にある感覚、その根底にある何らかの存在に気づき、感覚を引き出すような生の話に向き合う態度のような話。

全く考えてみたこともない。そういえば、感じていたのかもしれないが…。

それと読み手を飽きさせない文章の構成の話。やっぱり文章もデザイナーの視点で描いているんだなと深く関心する。

参加者も大いに満足した5日間、全4回のスクールだったが…さてここからが本番。どうやって10年本作ろうか…

それにしても…
こうやってスクールやってからいろいろな記録本見ると…本当にちゃんと読み手側に立った編集の視点で作っている記録集って少ないなぁ。

デザインはいいのだけど…といのも多い。

確かに読みにくいですよね。多くの記録集は。なんだか…わかっているような気になっている状態が一番恐ろしいんだなと最近感じる。わかっているようでも実は何もわかっていない。わかっていないことに気づき努力するところから次の状態のものは生まれるが、わかっているようでいるとそこからは結局たいしたものは生まれていない。

しかし、みんな大量に納得して大量にわかっているつもりで大量に作っているんだなぁ…

経験を重ねてくるとそこに大きな罠があるんだと思う。嫌だねえ。
by fuji-studio | 2012-01-29 22:59 | ・講座/対話/研究会
えずことかんがえる活動を再編集するディスカッション
えずこホールからすれば「藤浩志とカンがえる」だが、僕からすると「えずこホールとカンがえる」となるのかな。 結局だれとその状況に対峙するかでその状況の意味も変わるし、価値も変わる。

a0010575_23541465.jpg誰と語るのかによって今回の災害後の状況も意味も変わる。

だから…やっぱり多く語らなければならないし、もっともっと深く語り合う現場は重要だと思う。


a0010575_23555297.jpg去年の6月からえずこホールと、災害後の現場で様々な活動を行っている人にヒヤリングをおこない、そこから考えたことをさらに考える為に、第三者の編集という視点を入れて2日間のスケジュールでディスカッションを重ねる。

ランダムに気になった意見を列記してみる。

・ピストルを撃ちこまれるようにいきなり外部から襲い掛かった災害ではなく、もともと地域社会がもっていた問題、内包していた問題がデフォルメされてあぶりだされてきた。
・自然災害と人的災害ではどう向き合うべきかが本来違うべきだ。そのことについてもっと深めて考えるべきじゃないの。
・震災前から興味のあったことについての活動が、結局災害後、やるべきことが明確になり活動が加速しているのが特徴的?
・仮住まいが続いているが、仮住まいによって新鮮な視点が身に着いた。
・仮住まいであると同時に意識の上でもなかなか安定できないでいる。
・人生ずっと仮住まいであり、落ち着くことないことが自然なのかも。
・昔ながらの小さな地域の特性や対立までもがあぶりだされてきた。
・語れないことがたくさんある。語れること声の大きなことだけが伝わってしまう。その違和感
・あたりまえだが、何度も通ってようやくお互いの理解の違いのギャップを埋めることができる。
・災害の現場で活動している人との対話からは、学ぶべきことがたくさんある。
・なげかける言葉が蓄積されて…重い。
・記憶の風化の速度は本当に早い。直後のことは本当に忘れている。
・マスメディア的な扱いではなく、小さな被災や小さなエピソードをしっかり拾ってゆくことが大切
・言葉によって情景が見えなければならない。
・自分自身が思っていたことを語れなかった時期が長かったが最近ようやく語れるようになってきた。
・境界線にいるから発言ができるのではないか。境界線にいることの自覚と責任
・こうまでしても…なぜ残りたいのか。なぜ出てゆこうとしないのか
・自分自身に問いたいことが浮かび上がってくる。
・もともと人との関わりを持っている人は前に進むのが早い。
・白黒ではなく「考える」というある種のモラトリアムな手法はアートならではの有効性なのではないか。それでも少しは前に進む。
・問題について語り考えるうちに何かがズレて活動が始まる。その結果問題からズレて問題から距離をとることができる。
・自分自身へのカウンセリング
・狂言/呆者能の台本をつくり、上演してみる。

その他もろもろ以下省略。


a0010575_23571616.jpg現場でのヒヤリングや活動の紹介もまとめつつ、参加者が何を考え、何を学んだのかについてディスカッションの中からキーフレーズを抜出し、対話形式で語ってゆくのはどうかとの話が出た。

しかし、参加者はえずこホールの周辺の人だけではなく、福島からとか金沢とか大阪からの参加があり興味深かった。さて、どうまとめるか。とにかく何らかの形にしなければ存在しないことになる。

記録を存在させることで、いや、伝わるものとして存在させることでしか、この災害で考えなければならない多くのことが消えてしまう。

そうはさせるものか。
by fuji-studio | 2012-01-21 09:29 | ■宮城・えずこホールとの活動
北本市にクスタケシの制作工房を作る…つもりだったのだが・・・
動物彫刻家のクスタケシが埼玉県の北本市に制作工房をつくったという設定で雑木林でクスタケシ工房で制作した動物彫刻を展示し、デモンストレーションを行う…というプランを実施するために2日前から北本市に入ったものの…

a0010575_23163534.jpg北本ビタミンが用意してくれたプレハブ小屋には水がなく、電気もなく、隙間だらけで…しかも作業スペースの5m先には隣の民家の窓が…

これでは騒音や粉じんの出る作業は長時間できないし…それ以前に使えるトイレもないし…電気がないと工具が使えないし…一瞬福岡に戻ろうかと思ったが、先月から入っている若い作家が何もない屋外で孤軍奮闘している態度に接すると…僕も頑張らなければ…と思う。


a0010575_23172661.jpgそれにしても…チェーンソーなど音を出す工房にするにはあまりにも隣の民家との距離が近すぎる。それからすると僕の養鶏場跡の制作スタジオも、今の自宅の小さな作業スペースも恵まれた制作環境だな…と思う。

それはまさにクラブ活動の部室づくり的な拠点づくりでありながら、北本市内に「クスタケシの工房」という、「藤島八十郎の家」のような、パブリックアートに変わる「人を連れてゆき、案内できるポイント」をつくろうとしていることなのだが、そのあたりの仕掛けが理解されるのは難しかったようだ。


a0010575_23184355.jpgそうか。やっぱり、部室コンセプトの方がいいんだろうな。たとえば…「クスタケシクラブという雑木林の伐採された気を使っていろいろつくるクラブ活動の部室をつくる」というコンセプトの方がよかったに違いない。

とにかく、新潟での部室ビルダー「かえるぐみ」頑張ろう。


a0010575_23195612.jpgそれにしても雑木林の会の人達の活動は素晴らしく、すごい大きさのログハウスづくりに取り組んでいる。ログハウスの作り方の本を見ながら、はじめてつくるというログハウスにしてはやたらとでかすぎないか?

皆さんとてもいい感じにしっかりと作るプロセスを楽しんでいるあたりがまたなんともいい。


a0010575_2321176.jpgとりあえずレジデンスとして使っていいといわれる家に案内されて軽トラックを借りて自由に動ける環境になったが、自炊する調理道具とか調味料とか浄水器とか生活用品が微妙に足りない。

いつでもそうだが生活道具類をそろえるところから始める現場は無駄な出費と時間がかかる。

この二日間でホームセンターやスーパーに通い生活の必需品と工房の道具類がそろったので、どうにか明日からクスタケシを演じることができる。

とりあえずはこのレジデンスの納屋を工房にするとベストなのだが…ここは西尾君が展示に使うのだとか。やっぱりあの隣が民家のプレハブに移動するのは気が進まない。

移動型の工房カーにしようかな…いづれにしても今回は無理かな…

そういえばクスタケシという動物彫刻家は自分でイメージを作る人ではなかった。だれかがイメージを作ってくれないと作品はできないんだった…

とりあえず、いかにも…という感じのものをいくつか作ってみるか。

本当は大きな馬とか牛とか象とかが彫りたいんだけど…時間がなかかるな…

工房があればそこで大きな象をつくりかけているの風景もまたいい。

そうだ、雑司ヶ谷の空き地に展示できる彫刻彫ろうかな…雑司が谷のフェンスの中に入れる象の像とか…やはり小さい動物にしよう。
by fuji-studio | 2012-01-18 22:50 | ◎埼玉・北本ビタミン
AAFSchool AAF10年の記録本の為のキーワードを探す
アサヒアートフェスティバルのこれまでの活動を俯瞰しつつ、その10年記録本の出版の為にキーワードを抽出するワークショップ型スクールの2日間。

a0010575_1193023.jpg会場は谷中にあるオルタナティブスペースのhigure 17-15 cas

ここは2005年にkosuge1-16と一緒に行ったコフジビル17年の最終的な展覧会を開催した懐かしい場所。

久しぶりに谷中にきました。


a0010575_1205778.jpg空間としてはこじんまりとしているが、谷中の風景が見える雰囲気は開放的でとてもいい。

初日は2005年AAF参加団体のすべてを網羅した記録DVDと、たまたま泉山君がしっかり編集して残してくれていた大宰府スタードームフェスティバルの記録映像を見ながら、もろもろ説明やら裏話やら雑談しつつ…キーワードを拾い上げて行ってもらう。 

たまたま2005年のAAFは僕が関わっていたプロジェクトがいくつかあり、その裏話などで脱線してしまうので、やたらと時間が経ってしまい…ごめんなさい。 


a0010575_1215672.jpgしかも大宰府スタードームフェスティバルは、2004年ぐらいに僕が主催していたオープンディスカッションplants!がきっかけではじまったので、記録映像の中に2005年当時の怪しげな藤浩志が、なにやら酔っぱらいぎみに…今となってはあたりまえのような話を懸命に恥ずかしげもなく朗々と語っている。

ああ、みっともない。記録映像とは恐ろしい。


a0010575_1242627.jpgしかし、2005年という時代が…わずか7年前だが…いや、もう7年というべきか…2012年のアートプロジェクトと地域の関係では当たり前のようなことが、当時は結構力説すべきことだったんだなぁ…と、時間の流れによる「あたりまえのこと」の変化を面白く思う。

2日目は2011年のAAFの報告会に提出された記録画像を皆でみながら対話し、そこでキーワードを週出してもらう。

結局、時間切れになり、参加者にそれぞれ心に残ったことを語ってもらったが…その視点が僕らにしてみればなかなか新鮮で大切な言葉があった。

そのいくつかを列記してみる。・・僕の記憶で勝手に編集されてしまっていますが…

・AAFは色が鮮やかだと思いました。←日常はもっとグレイなのだとか。
・アートプロジェクトはエネルギーが集まってきて発生するんだな。
・問題があり解決を作ってゆこうとするプロセスにアートがあるんですね。
・アートはタブーに触れようとしている
・ちょっとやってみようという気持ちから始まるんですね。
・取り残された存在(場所とか建物とか人とか)と、人と違った活動をやろうとしたり、オリジナリティを探ろうとしているアーティストは相性がいいんだな思った。
・インキュベーション・アクティベーション・カルティベーション
・利害に関係なく人が集まっている。→興味と関心で集まってくるんですよね。
・おじさんは女の子としゃべりたいんですね。←おばさんも男の子としゃべりたいしね。
・あたりまえの日常の中で紡ぐ自分たちの物語
・AAFというしくみ自体が育とうとしているし、育っているんですね。
・あなたの好きにしなさい。私たちも踊りたい。
・いつでも「これからはじめます」という姿勢。←もう出来上がったものに途中からは入りにくい。
・結局、どういう効果が生まれたのかが知りたい。

・・・とまあ、いろいろ。

僕があらためて納得できたのは…

面白いことをしようとしているところには面白いことをしたいという人が集まってくる。その人達がまた面白いので、面白さが連鎖してゆき、とんでもないことが起こる期待が高まるんだな…ということ。


a0010575_125446.jpg特にAAFの場合は「アサヒビールがスポンサー」という匂いの漂いが、やっぱり飲み会へ導き、そこでさらに面白い人達と期待に満ちた会話をしながらこの上なく幸せな時間が過ごせる…老若男女が入り乱れながら…というかんじでしょうか。

実際にいくつもの妄想が現実になってゆく現場に立ち会うたびごとに…人のイメージ力と実践力の集積は凄いと思う。

次のAAFスクールはいよいよ最終回。物語へと導く授業。
by fuji-studio | 2012-01-15 12:07 | ・講座/対話/研究会
一昨年まで住んでいた家で、なぜだか20人近い韓国の子ども達がかえっこで遊ぶ。
1996年のミュージアム・シティ・天神に出品し、そのワークショップの時に福岡に来て、たたまたま休みの日に意を決して地下鉄に乗り訪れて見つけた筑前深江の駅から徒歩7分の農家だった家。

a0010575_2233998.jpg雨漏りしていたが、不動産屋で現状のままということで家賃3万5千円で契約し、その後13年近く暮らしていた家。子ども達も成長させてもらった家なので思い入れも大きい。

出るときはほとんど内装業者のようにきれいに壁紙はったり襖張ったり、天井まで張り替えて返却した。a0010575_2253044.jpgそのあとに若い自然農業をしている女性が暮らしはじめ、最近そのパートナーが韓国の子ども達の交流事業を行っているということで、20名近い子ども達がその家で合宿し。しかもイベントとしてかえっこを開催するというのでぼくらも手伝うことになった。


a0010575_22113782.jpgずっと暮らしていた家でまさかのかえっこ。世の中どういう縁で何がおこるかわからない。

なんとも不思議な体験だったが…

最近、自然農業のネットワークからか、いろいろな興味深い人が深江の街に興味を持ち暮らし始めている。


a0010575_22122598.jpg今日の料理は自然農の野菜のピザとか煮物とか、とても豊か。

ピザは庭でダンボール箱でピザ窯をつくり焼いたのだとか。

玄海原発まで30キロ圏内というただ一点の汚点を除いては本当にいい地域。

水がありえないくらいいいし、海の幸が豊かで、山では狩猟もできる。

いろいろなおもしろい人が集まるからまたさらに面白くなる。そうやってこの地域は作られてきたんだろうな。

土地の力か。人の力か。

余談だけど、家に自転車で帰る途中近くのスーパーに立ち寄ると、かえっこで楽しんでいた韓国の子どもたちがお土産にとお菓子とかカップラーメンとかをたくさん購入していて…そのあと家に戻りカップめん大会になっていたのだとか。

うーん…。子どもに自然農の野菜の価値はわからんだろうな…
by fuji-studio | 2012-01-11 21:47 | ◎福岡・筑前深江での活動
糸島アーツファームというプロジェクトが始まりそうです。
僕が暮らす福岡県糸島市でいよいよアートプロジェクトが始まりそうです。

a0010575_12342026.jpg僕が暮らす地域の同じ小学校校区で数年前からアーティストインレジデンス事業を始めたスタジオkuraその松崎君が都市計画デザイナー、コンサルタントの佐藤さんの後押しもありはじめようと覚悟したのが糸島アーツファームというかなり長期的な視点を持って展開しようとしているアーツなプロジェクト。


a0010575_12352364.jpg最初に家に企画書を持ってきたときは糸島アートファームという名前がついていたが、僕がアートよりもアーツの方がいいんじゃないかな?と話したことでアーツファームになった。

アートからアーツ、つまり複数形にすることでアートの文脈から少しずらし、いろいろなジャンルを横断するような活動ができるのではないかという思惑がある。

アーツファームといえば、僕が2008年に思いついた大阪の此花区での考え方。

大阪では都市型の映像系やメディア系、デザイン系のクリエイターやアーティストが暮らし、様々な活動を育てるエリアとしての此花アーツファームだったが、この福岡の糸島の場合は地引網のある海水浴場と玄界灘と狩猟のできる山、そして田んぼと畑と畜産と水と…自然と人の営みの関係の在り方に対しての様々なアーツを実践し、探ってゆくエリアとして模索されるのだと思う。

とにかく興味を持ってくれそうな関係者が集まってミーティング。

今年からじわじわとはじまり、2年に一度、あるいは数年に一度の大型のプロジェクトを目指してゆく。

家の海の家のスタジオも当然いろいろ関わってゆくことになる。よろしくお願いします。

サポートスタッフの宿泊先を確保しなければ・・・。
by fuji-studio | 2012-01-08 11:35 | ◎福岡・筑前深江での活動
イイテラスでの新年会という活動報告会。
鹿児島のイイテラスの10Fホールで自主的に集まったイイテラス関係者(?)の活動の報告会というにがあった。

a0010575_12405245.jpg新年会というくくりだが、それぞれが去年何を行ってきたのかの活動を報告し、交流を図ろうというもの。

鹿児島の今後の可能性がじわっとにじみ出た新年会でした。


a0010575_12412217.jpg根本君宮之原さん、皆さん、ありがとう。

また何か…今度イイテラスの302を使ってやりませんか?


a0010575_12414455.jpg403号室のイイスペイス ロビイを302の空き部屋に移動して、イイスペイス302ということで貸し出すことにしました。11Fよりも7割ぐらい安い価格設定ということです。


a0010575_1242967.jpg教室とか練習室、ミーティング、ディスカッションるーむとしても 使えます。
by fuji-studio | 2012-01-06 11:12 | ○イイスペイス@イイテラス