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こころを揺さぶる・・・感動する。心をつくるために。
a0010575_23302936.jpg体をつくるには体のいたるところを動かしてつくる。運動、スポーツ、各種トレーニング。

いつもは使わない体の部分を使うことで体はつくられる。

同様に頭をつくるには、頭を使うことが大切だということはだれもが知っている。

考えてみると、小学校以来、いわゆる学校教育において、鍛えられてきたものは主に頭、そして体。

しかし、心をつくる機会は学校教育のプログラムの中ではほとんどない。

なぜなのだろう?

体や頭をつくるためには、使われていない部分をじわじわと使い、ある程度のプレッシャーを与えながら鍛えるのがいいというのは分かっているが、心をつくる手段というのはそれほどだれも意識していないのではないか。

心を揺さぶり、日常では使わない感情を動かし、プレッシャーを与えながら心を鍛える。

いわきアリオスでホールそのものの存在理由を尋ねる市民の声を聞きながら、・・・鹿児島時代に150人の混声合唱団活動で体験した音楽ホールでの常識を超えた感動や・・・(自分の声がまったく溶け込みホール全体と一体になっている感覚・・・のようなもの)、学生時代に没頭していた演劇の公演を終えた後の観客との熱気の中での感動体験を思い出していた。心揺さぶられ、体全体から涙がこみ上げてくる感覚・・・。

考えてみると、絶望と感動の触れ巾の大きさは、そのまま心を鍛えることになっているのではないか・・・などと考えながら、思わずディスカッションの会場でマイクをとり、個人的な意見としてその思いをぶつけてみた。

心をつくるトレーニングのようなものは実は地域教育に担われた責務なのではないだろうか?

もちろん、家族関係、兄弟姉妹との生活の激しい喜怒哀楽や、友人関係や先輩後輩との関係での摩擦などは人間の感性や感覚、心のありようが形成される上で重要だということは前提としても、いろいろな世代、いろいろな職業、いろいろな人格との関係の中で感動体験を作り出す仕組みは地域教育には大きな可能性がある。

・・・ってなことを考えながら瀬戸内海の島々を眺め、新たな舞台に向かう気持ちになる。

うーん、心を揺さぶる作品づくり・・・っか。ハードルは高い。
by fuji-studio | 2010-06-29 06:30 | ・思索雑感/ImageTrash
かえるステーションオープンしました。
アーツ千代田3331のグランドオープンにともなって、ついにかえるステーションがオープンしました。

a0010575_14265534.jpgまだまだ運営体制は未整理の未完成、これからやりながら考えることになりそうですが・・・・とりあえず、遊びに来た人は勝手にかえっこして遊べます。


a0010575_14273051.jpgおもちゃ類はとくにM系のおもちゃと破片類は山ほどあり、それを素材として何かをつくることができるかえる工房も併設しています。


a0010575_14282919.jpgここで何かをつくりながら、あるいはここで仕事をしながら、かえっこを楽しみにきた子ども達と遊んでくれる人を募集しています。


a0010575_14291573.jpgここで過ごしたい人は是非3331のスタッフまで連絡してください。


a0010575_1431799.jpgまたここを利用して何かワークショップの実験を行いたい人も、是非連絡ください。

そうやってゆかないと・・・場所がもったいないですよね。


a0010575_14353990.jpgここからなにが生まれるか・・・。

僕自身も東京での活動の拠点にしたいと思います。

・・・
by fuji-studio | 2010-06-27 12:15 | ■東京での活動
いわきアリオスで市民との事業報告会&ペチャクチャ集会
a0010575_2148382.jpgいわきアリオスがいわき市内に登場して2年が過ぎる。

アリオスは開館当初から・・・いや、準備段階から、いわゆる建築的にはホールという表情を持ちながらも、実は市民生活に文化芸術というものを・・・僕の言葉で言えば、感動力とか表現力とか行動力とか・・・あるいは、新しいつながりをつくる仕組みとして・・・数多くの活動が仕掛けられてきた。

その活動の経緯と収支結果も含め、それぞれのジャンルのプロデューサーが生の声でこれまでの活動報告を行い、一緒に活動を作ることになった市民もまたそれぞれの活動や思いをぶつける・・・そんな報告会。

人口35万人の街にできた音楽ホール、演劇ホール、小劇場、小ホールと4つのホールを備えた巨大施設。

2年前最初にこのホールの計画を聞いて、何でいまさら巨大ホール・・・と思っていたが・・・もっと小規模のホールの計画が浮上した時に2000人は収容できる音楽ホールを!との市民の声が盛り上がり、署名活動まで起こった街なのだとか聞いて驚いた記憶がある。

結果として、国内のどのホールにも負けることがない一流の設備とスタッフを抱える最高の設備を備えた文化芸術交流館・・・となったのだとか。

人口35万人とはいえ、中規模の都市というわけではなく、香川県の3分の2の広さという広大な面積に人口が散らばるところ。どちらかというと、田舎の風景のあちこちに小規模の市街地が広がる・・・といった雰囲気のところ。山間部には過疎地も多く、高齢化の問題が深刻化している地域も少なくない。

そんな街にできたアリオスの一年間の来館者総数はなんと76万人なのだとか。オープン2年で130万人近くの人が来場したという報告。しかもこの数字がかなり誠実で正直でリアリティを持った数字というから凄い。

単純に考えても市民一人が一年間で平均2回は利用したことになる。

しかもホールの稼働率は大ホールで80%超、小中ホールでも61%~66%だというからさらに凄い。
アンケートによる市民の満足度は98%。数字も凄いがそれぞれの担当プロデューサーから報告された事業内容がまたすばらしい。基本的には一流の演奏者や役者による公演プログラムと市民とつくるワークショッププログラムのバランスがとてもいい。詳しくはこちらを参考に・・・

特に「おでかけアリオス」というアウトリーチプログラムでいわき市内の各地の施設やコミュニティを巡る公演やワークショップの活動や街や公園、近隣とのネットワークを使った活動などは多層多様で楽しげで・・・その後に行なわれたアリオスユーザーとしての市民の発表がまた胸を打つ。

欠点があるとすれば、完璧すぎる・・・ということぐらい。

それにしても、このような形で市民に対して各担当者がプレゼンテーションし、市民のユーザーが熱い想いをオフィシャルな場で発表し、実際にいろいろなプログラムが発生し、作られてゆくホールの態度は、ぼくが知っているこれまでのホール活動の常識をはるかに超えているし、それでもまだなお更新してゆくシステムのありようを求める態度に本気さが感じられて素晴らしい。

このようなホールのある暮らしができるいわき市民は本当にうらやましい。

・・・ちなみに年間運営経費のうち市民が負担している税金の額は一年間で一人当たり1200円、毎月100円という計算なのだとか。運営面の特徴はこちらを参考に。

利用すれば利用するほど市民は精神的に儲かる仕組みになっているのだが・・・。

こんな話を僕の暮らす地域の経営者に語るとこういう返事が返ってくるに違いない。「わが町にもちゃんとホールがあるじゃないですか。」

しかし問題にしているのは器の問題じゃないんですよね。器の機能を拡張するシステムとその器に人生と愛情を注ぐスタッフの問題でして・・・。その問題を共有できる市民がいて、ホールスタッフがいるということそのものがうれしいし、うらやましいんですよね。

いわきアリオスの次の展開・・・乞うご期待。

一流の音楽や演劇を求めている愛用者、あるいは生活に演奏や演じる生活をとりいれて暮らしたい人はいわき市への移住がお勧めです。

いわきアリオスもそろそろ移住者向け不動産情報が必要ですね。アリオス不動産とか・・・。

温泉あるしね。
by fuji-studio | 2010-06-26 21:48 | ・単純記録/Diary
3331のかえるステーションの方向性
3331アーツちよだのかえるステーションの設営作業を行いながら、この現場でなにができるかの方向性をイメージしてみる。

a0010575_13245022.jpgかえるステーションには常設のかえっこ屋があり、地域の小さな駄菓子屋のようなところとしていつでもオープンしていたい。

しかし、あくまでもお店屋さんごっこ遊びをする場としてオープンしているので、お店の店員がいるわけではない。

お店をやりたい子どもが登場したとき、お店として機能する空間・・・ということで、どうでしょう・・・。


a0010575_13254238.jpgかえっこ屋の奥にはかえる工房が常設されている。

かえる工房はアーティストやデザイナーなど、かえっこで集まってしまう素材・・・おもちゃの破片、ぬいぐるみ、ファーストフォードのおまけ系おもちゃ類を使っていろいろなものや活動、ワークショップをつくるところとして開放される予定。

・・・いろいろな道具や消耗品との関係があるので、おそらく登録制になるのかな・・・。


a0010575_13262021.jpg全国各地からのかえっこ開催の要望に対応してその開催をサポートするステーション・・・

現在は福岡の「かえっこ事務局」を中心に、全国各地のかえっこネットワークの拠点の人たちが自主的にその活動のサポートを行っているが、これがなかなかハードルが高い。いい人材が登場すると相当面白いことになりそう。

いまのところ、仮称「かえる組」というサポートチームを登録制で募集し、その人材の育成とかえっこワークショップアーティストの派遣業務ができるようになるといいと考えるようになってきた。


a0010575_1327035.jpgそして、「かえるの森へ!」に繋がる活動へ・・・

「かえるの森」という構想が先日の3331かえるの日会議で伊東の伊藤さんから発表があり、その妄想が僕の中で大きく広がっている。

最終的にかえるの森をつくり、こどもたちがカエルポイントを使ってかえるの森の木のオーナーになってゆくような仕組みができればいいのだけど・・・。

まあ、これからですね。

27日に3331かえるステーションでかえっこのデモンストレーションを行います。
by fuji-studio | 2010-06-26 13:27 | ■東京での活動
アーツちよだ3331のかえるステーションの設営開始。
アーツちよだ3331のグランドオープンが6月26日。それにあわせて、かえるステーションもオープンする。

a0010575_13305184.jpgその設営のために瀬戸内海の島を離れ東京の秋葉原へ。

設営準備のためにスタッフやいろいろな業者、アーティスト達が島とはまったく時間感覚で働き続けている。 


a0010575_13321051.jpgここで会場の制作を行っていると、いろいろな人が全国各地から訪ねてくる。

福岡から、宮崎の都城から、沖縄から、長野の茅野市から・・・いろいろな知り合いと話しこんでしまい、なかなか仕事が進まないが・・仕方ない。

しかし、4時半には片付け始める島の時間と違って、夜の11時ごろまで・・・終電ぎりぎりまで仕事をし続けている現場。

僕の現場にも入れ替わり立ち代り、いろいろなサポートスタッフが来てくれて作業を手伝ってくれる。

僕が話し込んでいる間にも空間は着々と変化する。

忙しいながらも、とてもいい雰囲気が漂う現場。

この現場に関われることはとてもうれしい。
by fuji-studio | 2010-06-23 13:32 | ■東京での活動
なんと・・・豊島(てしま)にもタワーを発見。 豊島タワー!
a0010575_10335189.jpg藤島八十郎の家の現場の掃除をしつつ、いろいろ見えてくるうちに、納屋の屋根の空気抜きの部分からの眺めが気になりだした。

そういえば、この現場に来た瞬間から、この納屋の上の屋根の窓が気になっていたし、その眺めはいいだろうと感じていた。

これはタワーですよ。一柳さん!
沖縄での銀天街タワーとの出会いから北本タワーへと連鎖し、いわきタワー、そして豊島タワー・・・ 



a0010575_10344686.jpg地域を適正な距離から俯瞰できるタワー・・・

八十郎の家にはタワーがあるということで、こえびの若手チームでその制作をやってもらおうかな・・・。

納屋の屋根裏部屋の秘密基地のような・・・

これは藤浩志の作品としてではなく、藤島八十郎という地域実験システムに参加するチームの作品のようになるのだろうな・・・。

藤島八十郎の活動はそうやっていろいろな人の関わりが増えて行く方向にあるべきだな・・・。
by fuji-studio | 2010-06-20 19:38 | ◎瀬戸内国際芸術祭・藤島八十郎
ツバメが八十郎の家の中に巣作りをはじめた。
a0010575_940535.jpg人が暮らすところに巣作りをするというツバメ。

僕らが30年間閉鎖されていた空き家の窓をあけて掃除をしはじめてから、周辺でツバメが遊びに来るようになった。


a0010575_9434561.jpg部屋の中にもやたらと遊びに来るなー・・・と思っていたら、巣作りをはじめている。

せっせと泥やわらをくちばしで運んできて、壁の僅かな突起物の上に巣作りをはじめた。


a0010575_9444631.jpg泥がおちてせっかくきれいに塗装した床を汚しているので、巣作りしているところに棚板をつくってやった。

すると、みるみるうちに巣ができてゆく。

ここで卵を産むのかな・・・

・・・あ、窓が閉められないじゃないか!
by fuji-studio | 2010-06-19 18:42 | ◎瀬戸内国際芸術祭・藤島八十郎
その場にあるもので、無理せず、空間を整備しつつ・・・
a0010575_115379.jpg崩れている床はそのまま崩し、崩れいている天井も、そのまま開けたまま・・・しかし、危ない部分は整備しつつ空間を使う方向性で手をいれている。


a0010575_1155594.jpg普通の住宅の空間に広がりができて面白い状態に・・・

床下が見える状態なので、床下を冷暗所としていろいろな保存庫にすればどうだろうか・・・とか、落ちてくる雨を利用して何か面白い仕掛けができないだろうか・・・だとか、いろいろな妄想が広がる。


a0010575_1163778.jpg材料を購入し、リノベーションを行うときりがないぐらい大変な作業になるし、予算もありえないぐらい少ないので、あえてこの場から出てくる材料だけを使うという制約を作って、その中で勝負しようと試みる。

それが、チャレンジングで面白いのではないかな・・・と。


a0010575_1172344.jpgとはいえ、なるべく雨漏りはとめたいので、こえび隊で参加していた総合格闘技ファンの若者に屋根に上ってもらい、割れている瓦を取り替える作業。

その瓦も草刈の中から発掘された瓦たち。

しかし、この場所、集落の上のほうで瀬戸内海がきれいにみえて、とても美しい。

展望できる休憩所がほしいな・・・。
by fuji-studio | 2010-06-18 01:17 | ◎瀬戸内国際芸術祭・藤島八十郎
雑草の中から発掘される素材・・・
a0010575_20395074.jpg敷地の雑草を刈っていると、いろいろなものが出てくる。

杉の木が倒れてそのまま風化し、雑草が生い茂ったもの、埋められた甕、瓦、石、石臼、祠、ロープ、シート・・・小屋がそのまま崩れて草で覆われていたり・・・


a0010575_2042594.jpgそれをすべて分類してみる。

活動の素材としてはこれだけで十分なのかもしれない。

これをどのように編集して空間におとしてゆくのか・・・

空間はそれなりに面白くなりそうな気がしてきた。

あとは、活動の中身。

誰と出会い、どのような物語が連鎖するのか・・・ということ。

もうすでに多くの種が発掘されつつある・・・。
by fuji-studio | 2010-06-13 20:49 | ◎瀬戸内国際芸術祭・藤島八十郎
「なんでわざわざこんな家を・・・」と不思議がられる。
a0010575_6255264.jpg豊島の地元の人に空家を探してもらうところからはじまった今回のプログラム。

水道工事に来てくれた地元の人がつくづく不思議がる。

「もっとましな家はたくさんあるだろうに、なんでわざわざ30年も使われていない朽ち果てた家を選ぶのかが分からん・・・」

それはもっともな意見。

その場で一言で返事ができなかったことがそのまま頭にこびりつき、清掃作業をしながらもずっとその説明の仕方を考えてしまう。 実は当初、もっと状態のいい家をプロジェクトの現場として事務局から紹介された。


a0010575_626312.jpgたまたま僕にとってそこが腑に落ちなかったというだけのことで、もっと違う現場と関わりたかった・・・だけのことだが、わざわざ崩れかけている家を選ばなくてもいいだろう・・・と思われるのは当然だと思う。

僕が最初に気にしたのは建物の状態よりも周辺の家との関係や空間の拡がりや雑草を掃除することで広がるかもしれない景色への期待感だったと思う。 

同時に、建物の朽ち果てた家の状態が限界集落と呼ばれている地域にある自然な状態だと感じていたこと。

最初の状態がひどければひどいほど、何らかの形に状態が変化した時の落差が激しく、その変化そのものが僕にとっては大切だということ。

・・・ということなのだと思う。


a0010575_6275920.jpg説明のしかたはいろいろある。

怪我したときもっとも状態の悪いところから手当てをする感覚だとか、掃除するときに一番汚れていそうな隠れた部分から掃除をする感覚だとか・・・

体にできてしまったできものをついつい触ってしまう感覚だとか・・・

とにかく、きれいなものや状態のいいものは別に僕が手をいれなくても誰でも興味を持って手をいれるだろうと思う。

逆に誰からも見放された状態のモノゴトがやたらと気になり、そこをいじりたくなる・・・のは性分なのかもしれない。

苦労することはわかっていても、それをクリヤした時の感覚がたまらない。

それはスポーツでもなんでも特に珍しい感覚ではないと思うんだけどなぁ・・・。
by fuji-studio | 2010-06-13 06:46 | ◎瀬戸内国際芸術祭・藤島八十郎