カテゴリ:◎埼玉・北本ビタミン( 27 )
北本の雑木林でのクスタケシの展示。
北本市での日本文化デザインフォーラムの開催はかれこれ3年目…かな。

a0010575_10523857.jpg雑木林での取り組みもじわじわと広がってきている。(全体の活動が見れるサイトはどこ?)

僕の北本との関わりはさらにその前からで、ここでもまずはじめにディスカッションの為のキャンプを企画した。

a0010575_1053589.jpgそこに関わった多くのアーティストや市民活動のグループとの関わりが、今の北本の活動へと変化しながら繋がり続けている。

その裏側には多くの葛藤や悩みや苦しみ、挫折もある。運営事務局も行政も皆素人なので多くの誤解も迷惑も渦巻いている。

a0010575_10533460.jpgしかし、その紆余曲折(プロセス)が地域の風景を作り出し、そこで人は変化し、活動も変化する。

北本でのアートプロジェクトをイメージした時に、外からの作家が大型のプロジェクトをやるような越後妻有タイプではなく、この地域の周辺の何かを作りたいと思っているエネルギーが集まってきて、ここから何かが発生するような状況を作るべきだと強く思っていた。

a0010575_1054142.jpg荒川の広大な河川敷きと雑木林が点在し、果樹園と桜が印象的で、空気と水の流れを感じるの東京近郊のこの地は、何かを作り続けて暮らしたいと考える創作者にとって魅力的な場であるはずだし、そもそも、この周辺にはそのような創作者がたくさん生まれ育ち、暮らしているに違いない。

a0010575_10543492.jpg当時は今のような「水を集める」の概念はなく、むしろ「土を開拓する」イメージだったのかもしれない。

まちの変化は世代単位で変化する。

その単位にいかに新しいベクトルを作るのかが重要だと思っている。

a0010575_1055643.jpg僕の個人的な常識では1世代は33年。66年で2世代。

今の北本のまちの風景は2世代前と1世代前の価値観によってつくられてきた。

ここに定着する人が何を考え何を行うのかで風景は変わるはずだが、時間の感覚が長いので自覚的にそれを捉えるには一生かかってしまう。

でも確実に風景はつくられ変化してゆくので、その変化に関わる人の意識がどのような経験をするのかが重要だと思う。

a0010575_10553027.jpgで、北本に関わりかれこれ4年ぐらいは過ぎているが、今回はじめて、目に見えるいわゆるブツとしての作品を展示してみる。

単純にブツが作品なのではなく、僕としてはかなり入り組んだデモンストレーションの為のブツなのだが、そのストラクチャーに興味を持ち、それを読み込もうとする人はほとんどいない。

a0010575_10555132.jpgまあいい。ブツを目にすると人は安心するし、喜んでくれる。

特にこのかわいい眼の無垢そうな動物たちに惑わされ、「かわいい」「おもしろい!」とのツイートの数は多い…だけど…

a0010575_7441647.jpg根本的なところでディスカッションしたいと思っているし、話したいこと、実践すべきことも山ほどある。

そこからわかりたいこと、知りたいことがたくさんある。そのような場を作らなければならないんだけど…

仕組みに関わる人が育つのは難しいね。

僕自身、まだまだ力不足だなー…
by fuji-studio | 2012-02-05 10:56 | ◎埼玉・北本ビタミン
クスタケシを演じることでクスタケシの工房という場をつくることになる。
埼玉県の北本市の雑木林に魅かれて北本氏にやってきた架空のB級動物彫刻家クスタケシ。

a0010575_11592465.jpg彼が雑木林に隣接する一軒家の納屋に間伐材を使って動物をつくる工房を作ったとの設定で彫刻をする。


a0010575_11535620.jpg雑木林に落ちていた間伐材を利用して、いかにもつくりそうな動物を数点制作する。

そのプロセスの結果…納屋には、木彫の為の道具や材料がそろってゆくことになる。


a0010575_11544015.jpgそれを収めるところを…やはり間伐材の枝で作りたくなる。それがなんとも楽しい作業。いままでもそちらに力を入れてきた。

僕の場合…作品を作ること以上に作品を作る環境をつくることに執着する性質がある。

彫刻はそれなりに作るながら…切れ端の枝を繋いで作業がしやすい空間を作ってゆく…その作業に数日没頭する。


a0010575_11552194.jpgその工房を…雑木林の枝に
興味を持った人が自由に使える木工の部室…クラブルーム的なたまり場にならないかなと考えながら制作する。

今後の活動で行いたいことはこの「部室」的な半分オープンな…しかし個性の充満した活動の為の場づくりだと確信している。それをどのような仕組みに組み込むのかが大きな課題。


a0010575_11563930.jpgクラブルームというと更衣室的で汗臭そうだし、クラブハウスというと高級感が漂い、なんだかその間のいい言葉が欲しい。

クラブボックスという呼び名を大学時代は使っていたが…このあたりが検討しどころ。


a0010575_11561311.jpgどちらにせよ、その空間をつくる為に活動を行い、実際に制作しながら結果として空間ができてゆくというプロセスが重要な気がする。


a0010575_11575358.jpg様々な地域に絡む活動に参加し、一緒に活動することで結果として空間が作られ、その空間をどのように開いてゆくのかのシクミをつくることが課題なのだが…北本ではこのシクミまで考えれる余裕がない。


a0010575_11583273.jpgとにかく、雑木林の枝がとても魅力的であり、可能性と期待が大きいことは確かで、その枝は生活の中からとても遠いところに行ってしまった地域社会であることも確かですね。

by fuji-studio | 2012-02-04 12:06 | ◎埼玉・北本ビタミン
北本市にクスタケシの制作工房を作る…つもりだったのだが・・・
動物彫刻家のクスタケシが埼玉県の北本市に制作工房をつくったという設定で雑木林でクスタケシ工房で制作した動物彫刻を展示し、デモンストレーションを行う…というプランを実施するために2日前から北本市に入ったものの…

a0010575_23163534.jpg北本ビタミンが用意してくれたプレハブ小屋には水がなく、電気もなく、隙間だらけで…しかも作業スペースの5m先には隣の民家の窓が…

これでは騒音や粉じんの出る作業は長時間できないし…それ以前に使えるトイレもないし…電気がないと工具が使えないし…一瞬福岡に戻ろうかと思ったが、先月から入っている若い作家が何もない屋外で孤軍奮闘している態度に接すると…僕も頑張らなければ…と思う。


a0010575_23172661.jpgそれにしても…チェーンソーなど音を出す工房にするにはあまりにも隣の民家との距離が近すぎる。それからすると僕の養鶏場跡の制作スタジオも、今の自宅の小さな作業スペースも恵まれた制作環境だな…と思う。

それはまさにクラブ活動の部室づくり的な拠点づくりでありながら、北本市内に「クスタケシの工房」という、「藤島八十郎の家」のような、パブリックアートに変わる「人を連れてゆき、案内できるポイント」をつくろうとしていることなのだが、そのあたりの仕掛けが理解されるのは難しかったようだ。


a0010575_23184355.jpgそうか。やっぱり、部室コンセプトの方がいいんだろうな。たとえば…「クスタケシクラブという雑木林の伐採された気を使っていろいろつくるクラブ活動の部室をつくる」というコンセプトの方がよかったに違いない。

とにかく、新潟での部室ビルダー「かえるぐみ」頑張ろう。


a0010575_23195612.jpgそれにしても雑木林の会の人達の活動は素晴らしく、すごい大きさのログハウスづくりに取り組んでいる。ログハウスの作り方の本を見ながら、はじめてつくるというログハウスにしてはやたらとでかすぎないか?

皆さんとてもいい感じにしっかりと作るプロセスを楽しんでいるあたりがまたなんともいい。


a0010575_2321176.jpgとりあえずレジデンスとして使っていいといわれる家に案内されて軽トラックを借りて自由に動ける環境になったが、自炊する調理道具とか調味料とか浄水器とか生活用品が微妙に足りない。

いつでもそうだが生活道具類をそろえるところから始める現場は無駄な出費と時間がかかる。

この二日間でホームセンターやスーパーに通い生活の必需品と工房の道具類がそろったので、どうにか明日からクスタケシを演じることができる。

とりあえずはこのレジデンスの納屋を工房にするとベストなのだが…ここは西尾君が展示に使うのだとか。やっぱりあの隣が民家のプレハブに移動するのは気が進まない。

移動型の工房カーにしようかな…いづれにしても今回は無理かな…

そういえばクスタケシという動物彫刻家は自分でイメージを作る人ではなかった。だれかがイメージを作ってくれないと作品はできないんだった…

とりあえず、いかにも…という感じのものをいくつか作ってみるか。

本当は大きな馬とか牛とか象とかが彫りたいんだけど…時間がなかかるな…

工房があればそこで大きな象をつくりかけているの風景もまたいい。

そうだ、雑司ヶ谷の空き地に展示できる彫刻彫ろうかな…雑司が谷のフェンスの中に入れる象の像とか…やはり小さい動物にしよう。
by fuji-studio | 2012-01-18 22:50 | ◎埼玉・北本ビタミン
北本ビタミン おもしろ不動産ツアーとディスカッション

埼玉県の北本市での北本ビタミンが行っているおもしろ不動産。

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いろいろな創作家の活動の現場にしてもらおうと、一般的な常識では使えないような空き家等をいろいろな職能を持つ創作家に紹介して利用してもらうプロジェクト。

a0010575_1937275.jpg2年前から仕掛けられてきたいろいろなプロジェクトを中心に集まった若い創作家達が北本の各所に制作スタジオを構えはじめ、面白いことになってきている。

北本団地での宝の原石のような活動、北澤潤の「リビングルーム」も熟してきて、北本ビタミンプロジェクトというシステムでしか発生しえないイメージも見えやすくなってきたし、wahから発生した団地の子どもたちが中心に行っている「はみだし探検隊」の活動も、将来の展開が見え始め熟してきた。a0010575_18565096.jpg

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単に地域イベントとしての地域型アートプロジェクトフォーマットではなく、事務局も、参加スタッフもアーティストも一緒に活動する市民も含め、生活の中での「つくる」時間と空間を共有してゆくような生活圏浸透型のアートプロジェクトフォーマットのイメージがようやく立ち上がりつつある。a0010575_18585363.jpg
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しかし…相変わらず現北本市長の活動に対する対抗市長候補チーム絡みのバッシングが、あるいは行政内の管理者としての重責が、地域の中で面白いことを行おうとしている極めてピュアな若い人たちの気持ちを抑圧し、邪魔し、重箱の隅をつつくようなあらさがしに時間を費やし…

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とにかくいろいろな現場に不愉快の悪雲を落としてゆく。

いかに市民の活動を発生させるかと考えることをせず、いかに市民活動を規制し、管理するかということで長年昇進してきた人の性質なのかな?
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もったいないし、つまらない。
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by fuji-studio | 2011-02-27 13:25 | ◎埼玉・北本ビタミン
去年紹介したみなみ幼稚園の持つ森で大人達が遊ぶ。
去年の日本文化デザイン会議の会場となったみなみ幼稚園の魅力については去年のブログで紹介したが、そこが河川の周辺に40年前から森を作っていて、そこが園児の遊び場になっているという話を去年から聞いていて、一度訪れたいと思っていた。

a0010575_1043519.jpg今年の日本文化デザイン会議ではその自然教育園となづけられた森を会場としてお借りして、建築家やその学生たちが森のカフェをプロデュースし、大人が遊び心で森を使う実験。


a0010575_1145822.jpg初日のデザイン会議のオープニングレセプションはこの森で行われる予定だったが、あいにくの雨。

この森で開かれたらどれほど心地よかっただろう。いい音楽といい食べ物といいお酒といい友人たちと…一番の贅沢だな。


a0010575_117418.jpg森の中のカフェはイメージとしてはだれもが憧れるが、実際に運営するとなるといろいろ難しい面もある。

このような地域イベントとしてそのカフェが実現できるのはとてもうれしい。それにしても、この森には幼稚園児がやってきて、思い思いに遊ぶのだとか。

たまには保護者と園児が手作りのマーケットを出してフリーマーケットを楽しむのだとか。


a0010575_118736.jpg子どもに遊びや学びやワークショップなどのプログラムを押し付けるのではなく、子どもたちが…あるいはおとなた達も…自由にそれぞれ好き勝手に…というか、思い思いに自分の行動を発見できる場がうらやましい。


a0010575_1192065.jpg先日、福岡の自宅まで訪ねてきてくれた子ども達との活動に問題意識を持つプロフェッショナルとの会話を思い出した。

子どもの遊びを導く大人のあり方についてのヒヤリングをしにわざわざ福岡までやってきてくれたのだが、そのとき会話の中ではじめてある考えに気づかされた。


a0010575_11113370.jpg子どもにとっては遊びと学習の区別がないということ。

子どもはただ目の前の現象に夢中になる。

自分の行動に夢中になる。


a0010575_12291867.jpgそこに遊びとか学習とか教育とか…そのフレームをつくるのは大人の価値観。

何かをさせようとしたり何かを教えようとする大人の常識や価値観が子ども達の「自分で見つけ出す」という貴重なチャンスをいかに邪魔し、阻害し、歪曲させているか。


a0010575_12301218.jpgあるいは…何かにおびえ、何かを感じ、何かを見つけ出し、何かを乗り越え、何かに夢中になる…

そんな貴重な宝物のような時間をいかに阻害し、剥奪しているか。


a0010575_1230511.jpgこの森は優しいばかりではなく、しっかりその敷地の中に「不思議な怖いところ」を作っている。

そう、森はそもそも優しい安心できる場というよりはむしろ神秘的なところ。

それは意図的なのかどうかはわからないが、まるで魔法使いが住んでそうな…国籍を超え、現実を超えた空間。


a0010575_12314725.jpg実は理事長の柳瀬さんが長年趣味で集めた骨董のランプやガラス瓶が飾られた事務所。

友人の出店する蚤の市で感覚的に興味のあるものを集めていると知らず知らずのうちにランプやガラスなどがたくさん集まったのだそうだ。


a0010575_12324556.jpg何か作為的に子どもの空間を作ろうとしたわけではなく、柳瀬さんの感性や生き方や子どもの教育に対するしっかりした理念のようなものが核となり、その空間をにじみ出しているのが素晴らしい。

そしてここで幼稚園の頃育った子どもたちがまた大人になり、ここで、そのころのことを思い出し、感性に正直な活動を行うことができる「まちのシクミ」も素晴らしい。

a0010575_1219932.jpgところで…この施設の中に貼ってある一枚の写真僕は見逃さなかった。

なんと! ポニーの馬車!

これぞ僕が北本の駅前に降り立った時にイメージしてしまった姿。

北本でなくもいいが、どこかの自治体とがっつりやりたいイメージ。

牧場を市民が経営し、駅前の雑木林の中にロバやポニーがひくコミュニティ馬車が市内を運行するまち。

それが実現できるのはまだまだ先なのかな。経済のためや地域の活性化の為にはたらくのではなく、個人の精神の豊かさの為に働く人が増えるような地域に育つのはいつの日か…。
by fuji-studio | 2010-10-11 23:31 | ◎埼玉・北本ビタミン
北本ビタミン 西尾美也、wah、北澤潤からの連鎖
北本に最初にやってきたのは…2008年の5月…そうかまだ2年と少しだけなんだな。もう3年以上関わっている感じがしていた。

a0010575_22382671.jpgこのブログを書き始めてから記録がかなり正確に検索できるようになったので便利。その記録によると最初に北本に呼ばれて何ができるか考えるためにその2か月後には北本アーツキャンプのチラシポスターを制作し、北本市役所の全職員に配布してもらった。

アーツキャンプという手法は1997年に福岡で始めたミーティングテーブル「plant」の合宿型の変形で、2006年に筑前深江アーツキャンプを地元のPTA主催で実施した経験があった。


a0010575_2324227.jpg地域の中でイメージ作るためにはいろいろな人とのディスカッションを重ねることで初めて発生すると思っいたので、そこから始めた。

8月のお盆の時期の5日間の合宿はどちらかというと地域や地域で活動している人と出会う為のリサーチだったが、それを踏まえて冬のキャンプがはじまり、興味深いデザイナーやアーティストがかかわるようになってきた。 


a0010575_2341471.jpgその中でもいち早くアクションをおこし、独自のプロジェクトを展開しはじめたのが西尾美也

彼の活動は2005年の取手アートプロジェクトの時から自主的にスタッフユニフォームの提案をいろいろしてくれていたので関係が深い。


a0010575_2352026.jpg京都にある大川センター運営のCAMPが行っているワークショップ「ふくのりゆう」に注目して以来、いろいろな現場で接点があった。

今年は去年まで北本や他の各地で展開してきたプロジェクトの素材を生地として最終的に服に戻しコミュニティ活動へと繋げてゆこうという新しい展開。


a0010575_2365756.jpgその実験の場が北本に暮らす若いデザイナープロジェクト「北本デザインプロジェクト」が自主的に改装して拠点していた「氷室(ひむろ)」

今年の北本ビタミンの活動がこれまでの2年間のそれぞれの活動をベースに、それぞれがいい形でリンクしてゆく流れを感じることができて、なんだかうれしい。


a0010575_761890.jpgwahの活動が北本にリンクし始めたのは西尾君のプロジェクトの北本タワー2階の工房の後、wah document officeとしての改装が始まってから。

彼らの活動としては珍しく、まず事務所を設け、新しい活動の形態を模索していたんだなと、今になって初めてわかる。

家を持ち上げるプロジェクトの主体のチーム名が「orera」であるのに対して、北本団地の空き物件で展開したプロジェクトの主体は「はみ出し探検隊」

北本団地の小中学生が中心となって、無人島に行くというプロセスをいろいろいじっている。


a0010575_772454.jpg「はみ出し探検隊」の活動のゴールは「無人島で過ごす」という極めてシンプルなものだが、そのプロセスをめいいっぱいいじっているのがwah document。

僕が最近活動の拠点としている豊島などの瀬戸内までくれば簡単に実現できる計画だが、わざわざ無人島にわたるには漁船がいるという理由を作り出し、漁船を千葉の漁港から運んできたのだとか。

なるほど。wahの活動のツボはまともそうに見せて、実は大きくズラす。そのズレ様の魅力だなと見えてきた。


a0010575_7103090.jpgそして北本団地の商店街の空き店舗で「Living Room」という活動を続けている北澤潤

やはり北本アーツキャンプのプレゼンテーションから彼の活動を知ることになったが、興味深い取りくみを、とてもまじめに「美術」に向かいつつ、しかも、団地に半分暮らしながら、その活動を地道に展開しているのが興味深い。


a0010575_7114031.jpg意図的に意図せぬ展開を仕掛け、現象を受け入れ、それを記述し、そして次の展開を仕掛ける。プロセスのあり方として注目すべき手法だと思う。 

内容はぜひ彼のブログサイトの報告をたどってもらいたいが…何もないところから北本団地の住民に使わなくなった家具を集める所から始め、集まりつつある家具でリビングルームを制作し…子どもたちの遊び場として開放しつつ…そのうち物々交換できるリビングルームとして…。

一つの場でありながら、用途が自然と変化してゆく状況。


a0010575_7123674.jpgそして偶然なのか、意図したのか…カラオケセットとかピアノとかがそろったところで「リビングコンサート」

常連の団地の子ども達が最前列で手伝いながら、地元の人のコンサートが催され盛り上がる。

地域は素晴らしい人材の宝庫だ。アートという文脈に縛られていたのでは絶対に出会えない人材にも、開放系のシステムを持つことで出会う可能性が生じてくる。


a0010575_7132856.jpg常にあらゆることにオープンになりながら、興味深いところに自由に移動できて、興味深い人と出会うシステムを作り出すこと。

北澤君の表現はそのような方向性あるのだろうし、だとすると相当うまくいったことになる。

美術に縛られない美術表現をどこまで実現できるかが、美術表現の可能性を広げてゆくことだと意図していると信じよう。

とにかく、北本ビタミン、来年2月にさらなる展開。

ところで、僕はなにしたらいいんだろう。

そろそろ僕にも何かやらせて欲しいな。

彼らに負けない表現…無理かな。いろいろハンディあるなぁ。
by fuji-studio | 2010-10-11 23:25 | ◎埼玉・北本ビタミン
北本で家を持ち上げました。
北本ビタミンの活動がきっかけとなって北本に拠点を構えたwah document

a0010575_16543052.jpgこれまではwahの活動はwahが主体的に行うと思われてしまうことに違和感を持っていたのだろうか。

今回はwah documentというwahの記録、運営の事務所を北本に制作することから活動をはじめ、主体をいろいろなチームが行うという新しいフレームを用意して北本の様々な活動を展開している。


a0010575_1765650.jpg今回の日本文化デザイン会議の中で行った活動の中心は「おもしろ不動産」
北本市内にあるいろいろな魅力的な物件を使うシクミを模索する活動。

そのひとつ、西高尾の空き家をwah documentのメンバーでもある増井君の学生がチームをつくりその利用方法と改装方法を試行錯誤してきた。


a0010575_2235741.jpgそのチーム名はorera なんと京都造形芸術大学の一年生。

美術大学の一年生なので、…こういう言い方をすると失礼だと思うが、制作の経験もほどんどなく、地域社会にどのように接すればいいかの経験もなく、対人関係のコミュニケーションのあり方すらもまだ模索中の年頃。

もちろん家を持ち上げたことなんか一度もない。


a0010575_2273638.jpgその彼らがwah documentや北本ビタミンや北本市役所、地域住民の力を借りながら実現したのが今回の「家を持ち上げる」というミッションを設定した「筋トレハウジング」

空き家の利用と改装ほ方向性を考えるうちに「持ち上げる」という改装方法へとたどり着いたのだとか。そのズレが痛快で仕方ない。


a0010575_2285836.jpg経験が少ないということは実現可能かどうかの無意識の判断を経験から行わないという点で優位にある。

逆に経験を重ねたおっちゃんが面白い発想ができなくなってゆく根拠はそこにある。

経験がないがゆえに、(wahの場合は経験からだと思うが)あまりにもばかばかしい到達点を選択してそのありえない交渉と苦労と労働を重ね、地域の中に様々な積極的でポジティブな摩擦を生じさせるという手法。


a0010575_22114921.jpg心や感情は挫折と失望と感動を重ねることで育てられるという話を以前話したことがあるが、地域社会の中にありえない事件を生じさせて、それの参加を促し、その制作過程を共有し、問題を乗り越えつつ実現に向かうプロセスそのものが価値がある。 

そんな明るい事件を地域社会の中に発生させることができるアートプロジェクトが可能だとすれば、アートも悪くないかもしれない。


a0010575_22132278.jpgかなり興味深い活動だったので、参加前からツイッターでその参加を呼びかけつつ、僕自身も家を持ち上げる体験に参加する。

前日までは、持ち上げるために必要と予想されていた200人という人数にまったく届かないという話だったが、当日いろいろなところから…子どもから家族連れから高校生から高齢者まで…200人を超える参加者があつまり実現する。 


a0010575_2216615.jpg若いチーム、oreraの当日の現場の段取りや発言はありえないぐらいグラグラのダメダメで…しかし、その現場に集まった参加者はジワーっと彼らをささえるモードにみんなが変換され、観客も含め、みんなが我慢強く「家を持ち上げる」というあまりにもわかりやすい一点のベクトルに向かう。


a0010575_22183450.jpg9時から集まって持ち上がったのは…そういう事情なので…12時。

何度かの掛け声だけの練習の後、本番の掛け声とともに200人の肩に家が食い込む。

ググッと重さを感じた後、ふっと家を持ち上げる感触。…と同時にこぼれ聞こえる驚きと感動の
声。さん、に、いちの掛け声の後、重さと感動に耐えながら家をゆっくり肩からおろす。

肩から家を下した瞬間、家の中と外のあちこちから沸き出てくる歓喜歓声。

いやー、生涯たぶん二度と体験できない肩に刻み込まれた持ち上げた家の感触。

北本のみなさん、関係者の皆さん、本当にありがとうございました。

wah documentのブログでも報告があります。持ち上げた瞬間の動画もリンクしていますのでぜひご覧ください。そして、今後、このようなチャンスがあれば、ぜひ逃さないように。
by fuji-studio | 2010-10-11 13:28 | ◎埼玉・北本ビタミン
ボーダーを行き来する人の態度の魅力。
日本文化デザイン会議の市長の出るセッションに続いたのが日比野さんと森本千絵さんとのセッション。

a0010575_7512214.jpg日比野さんとは最近現場がやたらとシンクロし、いま一番顔を合わせる機会が多くなった。

でも森本千絵という人とは初めての出会いで、どういう人かまったく予備知識がない状態でセッションに入る。

広告の仕事をしてきた人だが、相当はみ出た仕事をしてきたらしい。最近新しくはじまったNHK朝の連続ドラマタイトルバックの踊るプロジェクトを作っている人だというので相当旬なアートディレクター。


a0010575_804438.jpg話の内容は…せっかくアトリエワン市民と作ってきた駅前雑木林計画を議員の反対でなしにしてしまった市長に対しての怒り発言を僕がいきなり高いテンションではじめてしまったので、なんだか勢いモードに。

日比野さんの発言もツボをついてきて興味深いが、広告などの流通の世界にいる人と話す機会は少ないので森本さんの態度はかなり新鮮で面白かった。

セッションの中でも話したが、最近ボーダーを行き来している活動に魅かれていることを自覚してきた。


a0010575_811937.jpg豊島の藤島八十郎を一緒につくっている宇野澤君と話しているうちにジワーっと自覚するようになったが、明確に言語化されたのは青森での山田創平さんからの入れ知恵。(そうそう。山田創平さん、今月17日昼1時から藤島八十郎の家にゲストで迎えて話をしてもらいます。)

島と縞はもともと同じ意味だったとかで、島も縞もボーダー。

ボーダーとはエリアの交差する状態をいうのだそうで。ここは俺のシマというシマともつながっているのだとか。こんな話小学校の時に聞きたかった。


僕の遺伝子の中で騒いでいるのはそのボーダーを行き来して動こうとする態度なのかもしれない・・と。

たとえば広告なり、あるいは美術なり、政治なり…なんでもいいのだが、その中心にどしっとしながら動かない態度ではなく、ある領域と別の領域の中を行き来しながらボーダレスな態度。

そこに何か魅かれるものがあるのだろう。

森本さんの話や日比野さんの話を聞いていて、司会をしてくれた森さんもまた…このセッションはまさにボーダーからはみ出ようとしたりボーダーを拡張したり、ボーダーの内部を大切にしながらもボーダーに囚われない人達だなーとうれしくなった。

行政ももっと「もはやこれは行政ではない!」というぐらいの活動ができれば魅力的なのに。

セッションのあと、森本さんが最近出版した「うたう作品集」をプレゼントしていただいた。

僕が僕にも「うたう」という作品のシリーズがあり、「うたう」っていいですよね。との話をしたからだと思う。

中身を見て驚いた。僕はテレビを見ないのでほとんど知らないが、これまで彼女が広告の世界でつくってきたイメージの膨大な仕事の態度がはみ出ていた。

なるほど。その仕事はアートの領域の仕事ではないが、もはやアートとしか言えないような内容の仕事。まさに興味あるあり方。

広告というフォーマットでいろいろな人との関係の中で無茶なイメージを作っている…ひとりwahというかんじ。

だから森君は僕にぶつけたかったのだな。日比野さんを間に挟んで。

もっともっとボーダーを行き来している人はいるんだろうな。アートの外側に特にたくさん。

もろもろ、ありがとうございました。
by fuji-studio | 2010-10-09 23:12 | ◎埼玉・北本ビタミン
2年目の日本文化デザイン会議
a0010575_12355790.jpg去年に引き続き今年もまた日本文化デザイン会議をなぜだか北本市で開催。

今年は北本ビタミンとの共催という不思議

ビタミンというキーワードが誰から発せられ、どういう経緯で僕のノートに書かれたのか分からないが、いづれにしても何も存在していなかったモノゴトやシクミがこうやって動いて定着しているのをみると、人の関わりは凄いことだと思う。

しかし、北本市には現市長の活動をことごとく阻害する要因があるのだとか。

ああ、もったいない。

政治の力は地域の魅力を作り出すためにはたらくべきなのに。

何が阻害要因かはわからないし、僕の興味の外側だが、とにかくここから魅力的な活動が連鎖すればいい…。

がんばれ北本市民。
by fuji-studio | 2010-10-09 16:35 | ◎埼玉・北本ビタミン
北本市でのディスカッション。椿さんついに登場!
北本市でのアートプロジェクト、ついに目指してきた最後の一年がはじまる。

その方向性を確認するようなディスカッションが北本市長も含めて開催される。

a0010575_10253532.jpg特に今年いろいろと関わってきた作家、西尾美也北澤潤wah、そして僕もこれまでの活動の経緯と今後の方向性をぶつける。

西尾君の北本の河川敷や雑木林と対話しながら作品を集積させてゆく展開も興味深いし、wahの事務所やこんごの活動も魅力的だが、北澤君の団地で行った「Living room」という活動は相当可能性があるような気がする。ついに北本からとてもいい活動が発生した。まさにシステム型の拡がりのある表現だと思う。

本人もまだその正体に戸惑っているかもしれない。そのあり方がさらにいい。


a0010575_10263711.jpgそして第2部、朝方まで六本木で跳ぼうとしていた椿さんも北本に招待し、意見をぶつけてもらう。

・・・椿さんとは瀬戸内国際でもかぶっているが、「瀬戸内終わったら関わってもいいよ・・」と話していた。

学生を投入するのかな?・・・そういえば、北本にもねぶたあったな

さて、どうなるか、北本。

もうすでに芽吹き始めているのだが、その価値や意味についてほとんどの人に繋がっていない。
by fuji-studio | 2010-03-28 20:22 | ◎埼玉・北本ビタミン