水都大阪2009、最終日、盛り上がる。
2009年 10月 12日
スタッフのみんなの活動の結果がこのような形で集積されて展示できて本当にうれしい。
そして12月まで、いや、3月まではまだまだ続く。
ほとんどの作業時間は無償での作業だったので、金銭的には相当な赤字だが、精神的に、あるいはいろいろな関係性を財産と捉えると相当黒字にできた気がする。
最近は労働時間を本来請求できる金額に架空換算して、その分を地域社会に貸していると考えるようになってから、相当なお金持ちになった気になる術を身に着けたので、精神的に豊かになった。
トイザウルスやキャッスルを飾った周辺で、多くの見知らぬ人に、「完成したんやね。お疲れ様。」「ようできたね。3匹もつくったんや。」と熱く声をかけられ、いかに多くの観客に興味を持って見守られていたのかを思い知る。
かえっこ屋の一部として開放されたかえる工房の中でも、会期中に通い続けてくれた家族や子ども達が、そのお別れを惜しむ会話がいたるところから聞こえてきて、その場を多くの人が利用してきた状況を垣間見る。
そしてそれをちゃんと見ていた観客の暖かい視線と応援。
それが核となってそこから連鎖するいい空気感。
何も期待せずに、ふらっと迷い込んだ人にとっては、会期中、文化座の全体にはなんとも説明しがたい「いい空気感」が満ちていて、そうれを楽しんでもらえたと思う。
スタッフの表情からもそれが確認できてうれしい。
ただ・・・水都大阪に何かを期待して、何かを求めてきた人にとっては・・・たとえば、娯楽性とか、芸術性とか・・・説明不足でシステム不備で、ある面、意味不明な現場だと捉えた人もいたかもしれない。
都市型の地域実験として捉えたときに、そのどこに問題があり、そのどこに可能性があったのか。
・・・それらを検証するシステムとちゃんとリンクできていないことも大きな問題だったと思う。
関西にはたくさんの大学があり、創造都市とか地域計画とかまちづくりとか空間計画とかコミュニティ形成とかシステム論とかに関係する多くの研究室があるというのに・・・。
システムを構築する上で、どのような要因を排除し・・・、あるいはどのような要因のコアを配置し、それぞれのネットワークをどのように構成すべきなのかが最も重要な問題だし、そのシステムに関与している人がどれだけの感性を持ち、責任を引き受ける勇気と度量があるかも問題となる。
もちろん100万人を目指していたので数字としては大成功。
しかし、それぞれの連鎖を追及して調査することはできないのが残念。
幸い11月からパナソニックセンターで記録の展覧会が開催される予定だし、かえるシステムはまだまだ続く。
スタッフ全員の達成感が相当だったことが伝わってきて何度かこみあげてくるものがあった。
皆さん、本当にお疲れ様でした。
そして、ありがとうございました。