NPO法人+arts (プラスアーツ)の総会
2009年 05月 25日
プラスアーツとはまったく関係ない写真ですね・・・。しかし、なんだかやっぱり気になります。
それはさておき、プラスアーツの総会でなんとなく考えていたこと・・・
2005年、神戸市が震災10年事業「神戸からの発信」としていろいろ計画する中で、僕に子ども向けのワークショップの実施の依頼がまわってきたところからはじまった。
僕個人が直接引き受けるとなると大変そうなので当時一緒に仕事をしはじめていた大阪の地域づくり・空間プロデュース系のコンサルタント、iop都市文化創造研究所の永田君にいろいろと無理難題を押し付けた。
ここであえて確認のために記すことにするが、当時の僕の思いつきは単純にいうと次の2点。
1、「はだしのゲン」というメディアは凄い。
2、近所の小学校や公園などでバーベキューキャンプをすると魅力的なのではないか。
これを言い換えると
1、震災直後に数多く出版された体験手記等を手がかりとして、今の子ども達に、あるいは将来の子ども達に震災が、あるいは災害がどういうものであるかのイメージを正しく伝えるメディアに再編集し、学校などに定着させるしくみが必要なのではないか。
2、近くの避難所に指定されている公園や学校などで、年に一度ぐらいフェスティバル形式の防災キャンプを行い、そこで、その地域に必要な防災のワークショップを地元の人と、学生と子ども達が協力して考えてゆくしくみが必要なのではないか。
・・・ということ。
この発案がベースとなって永田君が神戸市に提案しやすいように編集しなおし立ち上がったプログラムが神戸カエルキャラバン!
時間的な制約と予算的な制約の中で、はだしのゲンもまだ生まれていないし、近所の公園や小学校での定期的なバーベキューキャンプのしくみも完成されていないが、そのイメージのデモンストレーションを示すことはできたような気がする。
神戸市内で7ヶ所巡り、プログラムを実施し、「イザ」というときに「イザ!」と気合を入れて行動し、状況を「カエル」為の活動をつくってゆくしくみを「イザ!カエルキャラバン!」として全国に伝えてゆく必要があるのではないかとの話になった。
「神戸からの発信」といっているのに、単なる単年度のイベントで終わってはいけないのではないかという誠実な想いから「イザ!カエルキャラバン!」を全国展開するしくみとしてNPO法人をつくることになった。
三宮のロイヤルホストでランチを食べながらその話をしたのが記憶に新しい。
そんな経緯で2006年にたちあがったのがNPO法人+arts
最初は神戸に所在地のあるNPOだったが、iopの事務所と一緒に活動することが多くなったので、大阪に所在地を移転し、今の体制になる。
今年で2006年の設立総会を含めると4回目の総会。年々活動は大きくなり、大小さまざまだが年間80近い事業を行っている。
ブラボー!
地域での魅力的で大切なメディアやプログラムが発生することが大切なのであり、その発生を促すしくみが大切であるということは理解されていても、そのしくみを伝えるために制作してしまうツールが目に飛び込んできてしまい、そのツールの配布に意識が移行しがちになる。
しかも不幸なことに、それぞれの現場でも求められるものはややこしいプロセスではなくて、単純明快なツール。
ツールを開発する喜びとか面白さを伝えるしくみであるはずが、その喜びや面白さを地域から奪う方向性にあるのはよくない活動だと思う。
その微妙なズレを伝えるのは難しいなぁ。そこがみんなの悩みどころ。
いかに不完全なツールをデザインするかという技術のようなものかな。
やはり、「不完全のデザイン」・・・なのかな。
・・・などと考えてすごしていました。
今日の総会。
そういえば2年前の総会の時の落書きからアーツクールは誕生したな・・・。