風と土について・・・
2007年 09月 16日
伊賀のアーティスト・イン・レジデンスのテーマがこの風と土に絡んでいた。
で、シンポジウム会場で若手作家の「はくまえすすむ」が勢いよく疑問をなげかける。
「風と土は本当に融合するのか?」
その疑問がずっと頭にこびりついていたのだと思う。
今日の住民参加者ゼロという画期的で前代未聞のワークショップの帰り道、永田さんが僕に疑問をなげかける。その疑問は違う質問だったと思うが、僕にはこのように聞こえた。
「僕らは土にはなれない。それをどのように捉えればいいのか?」
そこで伊賀での質問を思い出し、風と土について思いをめぐらす。
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土が熱を発することで上昇気流が起こり、風が発生する。
土が熱を発することがことのはじまり。
風は種を運ぶ。
風は雨雲を運び雨を運ぶ。
種に水が注がれ、光りが当たることで発芽する可能性が生じる。
土に養分があれば見事発芽し、それがかれるかもしれないが土の養分へとなる。
発芽し、開花し、花粉や種を風が運ぶ。
周辺の土が豊かになる。
・・・豊饒化・・・
風と土は融合するものとしてあるのではなく、協力関係にある。
協力関係は信頼関係の上になりたつ。
信頼の上になりたつ土と風のいい協力関係がその土地独自の風土をつくる。
・・・そんなものかな。
・・・とすれば
今の僕らの役割はあきらかに風。
良質のその土にふさわしい種を運び、雨雲をはこび、光りを運び、花咲くころには静かに眺め・・・
土がなければ空虚を運ぶだけ。