ハチ公のポーズの上野から来た犬がハチ公の故郷、大館を廻る。
a0010575_9533974.jpg秋田県の大館市は忠犬ハチ公で知られる秋田犬の故郷なのだとか。 

ハチ公はなぜだか僕にとって無視できない大事な存在。

もともと犬という存在をおそらく遺伝子的に無視できないのだと思うが・・・世の中の路上の彫刻物であれほど心を揺さぶるものも少ない。

いや、その彫刻が彫刻としていいのではなく、そのありようが抜群だと思うだけですが・・・。


a0010575_9564617.jpgで、大館の街の中心にはハチ公プラザとかがあり、いわゆるパブリックスペースとなっていたり、ここの商店街で買い物をするとハチ公ポイントがもらえたり、ハチ公は大館でも活きている。
 

a0010575_955132.jpgその大館の街中でプロジェクトを行うというので、鹿児島に旅していた渋谷駅前のハチ公の銅像のポーズをしている上野の西郷さんの飼い犬のツンが・・・(ややこしいですね・・・)大館に旅してきた。

・・・という設定でツンをつれて大館のゼロダテを巡る。


a0010575_100381.jpg街じゅうのシャッターが閉まって十数年たったところを開けて、掃除して展覧会会場として公開する展覧会。

お! これはなつかしい。94年、福岡のアジア美術展に出品していた中村君の作品。

この黄色い蛍光灯が路上まで飛び出してきている。



a0010575_1012565.jpgこの展示はギャラリーとか美術館ではなかなか実現しにくいかもしれない。

天井に穴をあけて躯体にボルト止めして天井を埋めなおして・・・

このような大胆な設営ができるのも商店街の空き空間ならでは・・・。


a0010575_1034877.jpg中村君のパートナーのミョンさんもプードルの立体作品を数多く展示。

いつもは地味な風景が明るく賑やかな風景になる。

地味という以前にシャッター閉まっているのですが・・・。

ちなみにこの大きなプードルの作品は福岡市の百道の福岡ドームの近くにもあります。その兄弟。 


a0010575_1003323.jpgこの空間のあるところは中心市街地のまさに中心。

元食品センターだったとかで、空間も大きく魅力的。

作家がそこで会期中、公開制作をおこなうのだとか。



a0010575_1043165.jpgシャッター街を歩いていると、シャッターから飛び出たところが・・・。

その中にシャッターグッズをつくる自称シャッター・ガイと呼ぶ男がいる。

シャッター街のシャッター外のシャッター・ガイなのだとか。

その駄洒落はともかくとしてデイテールのつくりこみが絶妙で心くすぐる。

ただものではないなー・・・と思っていたら中村君のところの学生だとか。
これからが楽しみだな。


a0010575_1051934.jpg完成された作品ばかりが展示されているのではなく、会期中にまだまだ作品が展開してゆくものもあるのだとか。

そのライブ感やおおらかさもまた街のなかでのプロジェクトのいいところ。

ちなみにこの作品は今回10人分ぐらい働いている石山君の映像作品


a0010575_1054197.jpg元家具屋だったこの空間はステップ構造になっていて、作品を陳列するのにとてもふさわしい空間。

この展覧会のために作られた空間のように錯覚するぐらいしっくり来ている。

もちろん、床とか壁とかはかなり古いが、本気になって改装すればかなりの空間になりそう・・・。


a0010575_10242170.jpg今回の展覧会では元商店の空間ばかりではなく、その上部の住居部分や倉庫、中庭など通常では立ち入れないところも利用してプロジェクトが展開されている。


a0010575_10285035.jpg考えてみると商店街として機能している時は利用するお店があってもせいぜい数件程度・・・。
それが一気に20ヶ所以上の建物の40室に近い部屋を、表から、裏から、上から下からと様々な角度から透視し、俯瞰できる不思議な体験が楽しめる。

しかも無料で深く楽しい


a0010575_10292311.jpg多くの市民が街に手をいれ、街を使い、街を深く楽しみ、街で遊ぶ。

その基本的なことを長い間、街は拒否してきたんだなー。 


a0010575_1029581.jpg皮肉なことに「商店街」であってはできないことだし、ありえないこと。

商店街でなくなったがゆえに実現できたという事実。

ここでも「商店街の活性化」というお題目がいかに邪魔し、弊害になっていたかを思い知る。


a0010575_10303343.jpg商店街という既成概念から離れ、日常生活に必要な・・・特に高齢者と子どもと児童と学生とに必要な・・・モノゴトやシステムを中心市街地に取り揃え、提供する視点への転換が必要なのかと・・・。


a0010575_1031321.jpgそれは遊びだったり・福祉や医療だったり・環境だったり・防犯や防災だったり・教育だったり・文化芸術だったり・哲学だったり・宗教だったり・趣味娯楽だったり・・・


a0010575_10315242.jpgとにかく多くの人に開かれた、深く楽しめる場が様々なチャンネルでそこに存在すること。

それに参加できて、当事者になれること。

そして、変化し続けること・・・


a0010575_10333771.jpg街をいろいろな角度から巡りながら、そんな確信を持つ。

今回のゼロダテは中村君とその同級生の持つネットワークの力で奇跡的にもこの地図上のオレンジ色の部分を開放した。

・・・しかも準備期間はわずかに3ヶ月だったとか・・・ありえない!
ありえないあたりがまさに常識を超えた技術(アート)


a0010575_1034164.jpgそのほとんどが長い間閉鎖されて住民の利用を・・・立ち入りすらも拒否し続けたところ。

本当によく実現できたと思う。

しかし・・・

実は大館の魅力はまだまだこんなものじゃない。

今回のプロジェクトで空間の魅力は見せることができたが、まだまだその地域の人材の力や地域力を見せたとは言いがたい。

それはこれから始まることなのだと思う。

大館の大町商店街の10年儀・・・、本当に心から楽しみですね。

とにかくお世話になりました。
by fuji-studio | 2007-08-11 12:55 | ■秋田での活動


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