ハチ公のポーズの上野から来た犬がハチ公の故郷、大館を廻る。
2007年 08月 11日
ハチ公はなぜだか僕にとって無視できない大事な存在。
もともと犬という存在をおそらく遺伝子的に無視できないのだと思うが・・・世の中の路上の彫刻物であれほど心を揺さぶるものも少ない。
いや、その彫刻が彫刻としていいのではなく、そのありようが抜群だと思うだけですが・・・。
・・・という設定でツンをつれて大館のゼロダテを巡る。
お! これはなつかしい。94年、福岡のアジア美術展に出品していた中村君の作品。
この黄色い蛍光灯が路上まで飛び出してきている。
天井に穴をあけて躯体にボルト止めして天井を埋めなおして・・・
このような大胆な設営ができるのも商店街の空き空間ならでは・・・。
いつもは地味な風景が明るく賑やかな風景になる。
地味という以前にシャッター閉まっているのですが・・・。
ちなみにこの大きなプードルの作品は福岡市の百道の福岡ドームの近くにもあります。その兄弟。
元食品センターだったとかで、空間も大きく魅力的。
作家がそこで会期中、公開制作をおこなうのだとか。
その中にシャッターグッズをつくる自称シャッター・ガイと呼ぶ男がいる。
シャッター街のシャッター外のシャッター・ガイなのだとか。
その駄洒落はともかくとしてデイテールのつくりこみが絶妙で心くすぐる。
ただものではないなー・・・と思っていたら中村君のところの学生だとか。
これからが楽しみだな。
そのライブ感やおおらかさもまた街のなかでのプロジェクトのいいところ。
ちなみにこの作品は今回10人分ぐらい働いている石山君の映像作品
この展覧会のために作られた空間のように錯覚するぐらいしっくり来ている。
もちろん、床とか壁とかはかなり古いが、本気になって改装すればかなりの空間になりそう・・・。
それが一気に20ヶ所以上の建物の40室に近い部屋を、表から、裏から、上から下からと様々な角度から透視し、俯瞰できる不思議な体験が楽しめる。
しかも無料で深く楽しい。
その基本的なことを長い間、街は拒否してきたんだなー。
商店街でなくなったがゆえに実現できたという事実。
ここでも「商店街の活性化」というお題目がいかに邪魔し、弊害になっていたかを思い知る。
それに参加できて、当事者になれること。
そして、変化し続けること・・・
今回のゼロダテは中村君とその同級生の持つネットワークの力で奇跡的にもこの地図上のオレンジ色の部分を開放した。
・・・しかも準備期間はわずかに3ヶ月だったとか・・・ありえない!
ありえないあたりがまさに常識を超えた技術(アート)
本当によく実現できたと思う。
しかし・・・
実は大館の魅力はまだまだこんなものじゃない。
今回のプロジェクトで空間の魅力は見せることができたが、まだまだその地域の人材の力や地域力を見せたとは言いがたい。
それはこれから始まることなのだと思う。
大館の大町商店街の10年儀・・・、本当に心から楽しみですね。
とにかくお世話になりました。