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防災キャンプということで泊り込みでした。

地震EXPOの最後の企画、イザというときを想定して会場で皆で泊り込むという防災キャンプ。

防災キャンプということで泊り込みでした。_a0010575_17415248.jpgもともと地元の避難の指定場所で一度も泊り込んでキャンプをしたことがないという違和感から、近くの小学校とか公園とか、避難所になりそうなところに周辺の住民が集まって炊き出しなどを行って実際にキャンプして泊り込むプログラムの前例を作ってみたかった。<br clear=all>

防災キャンプということで泊り込みでした。_a0010575_1884875.jpg2005年に神戸市内で小学校とか公園とかを使って行った防災キャンプのワークショップだが、今回はアートスペースを使ってそのまま泊り込むというもの。 

これは何を意味するのか?

つまり、イザとなったときに、私設だろうが公設だろうが、美術館とか文化ホール、劇場、あるいは企業が施設の一部を近隣住民に開放して避難所として利用してしまうという実験!

で、そこにはどのような仕組みとモノと人が必要なのかを感じながら考える実験。

本来もっとも管理の難しい、美術作品が陳列されているところを市民に開放してそこで寝泊りしてみようという画期的な(ありえない)試み! 


防災キャンプということで泊り込みでした。_a0010575_17425197.jpg一般公募に定員ぎりぎりの80名が参加。近くの人がくるのかなと思いきや、なんと関西や愛知、東京、茨城など周辺の地域からの参加が多かった。

で、今回は何もプログラムを用意せず、参加者各自がそれぞれ、避難所生活を工夫して暮らすという実験。実施に夜の7時から次の日まで水道や電気のライフラインが切れた状態ですごす。


防災キャンプということで泊り込みでした。_a0010575_17442765.jpg夕方、おにぎり一個と水と携帯用トイレが支給され、朝、牛乳1本とパン1つが支給される。

何も準備されていないところで避難生活をおこなうことになるので、何が足りなくて何が必要なのかが見えてくる。


防災キャンプということで泊り込みでした。_a0010575_17464753.jpg準備のいい人はちゃんと食料を持参してきていて、集まってくる子ども達に分け与えたりしている。見知らぬ人たちが緩やかにつながっているところがいい。

地震EXPO会場全体どこに寝泊りしてもいいということなので、さすがに建築家のシェルターは人気。


防災キャンプということで泊り込みでした。_a0010575_17472894.jpg僕もひそかにかえっこバンクの後ろにのぼりを壁にテープで貼り付けて、テントのようなものをつくり、そこで寝ることにする。


防災キャンプということで泊り込みでした。_a0010575_17494945.jpgそうそう。今回事務局が用意したのは掲示板だけ。
掲示板にそれぞれ自主的な活動の呼びかけが掲示される。
「つりを行います」とか「足湯やります」・・・とか。
いや、足湯はほんとにいい。とてもいい。 


防災キャンプということで泊り込みでした。_a0010575_17522054.jpgBankARTのディレクターの池田さんたちが以前に制作したお湯を沸かしてそのままお風呂になる小屋が登場して露天風呂が出現したり、なかなかいい雰囲気。
これは直接下で薪をたき、お湯を沸かし、そのまま入るお風呂! 最高!


防災キャンプということで泊り込みでした。_a0010575_1753489.jpgプラスアーツの永田さんたちはやみなべを作って皆にふるまっていた。
ビニール袋で野菜をつまみ、はさみでチョキチョキと直接なべの上で切ってゆく。きのこ類と豚肉がいい味を出していてなかなか美味しかった。

やっぱり大きななべがほしい。地域の公園に大型のなべとかかまどとかは日常は電気の傘になっていたり、ベンチになっていたりしていいのだが、是非必要。イザとなったら鍋になる公園の街灯の傘、絶対流行りますよ! だれか提案して。

それと水。ここは海際だったからよかったが、水が命をつなぐ。


防災キャンプということで泊り込みでした。_a0010575_1757732.jpg今回は防災船が会場の前に着岸していたので、そこが憩いの中心。
防災船自体が発電設備を持っているので、明かりや電源がとれる。地域に5つずつぐらいはほしいよね。


防災キャンプということで泊り込みでした。_a0010575_1759236.jpg子ども達はいきなりゴミつりをはじめ、それに夢中。

本能のままに遊び始める子ども達をみると安心するなー。あぶなそうだけど・・・。


防災キャンプということで泊り込みでした。_a0010575_1805863.jpg夜の9時からは防災船の中で子ども向けのアニメーションが特別上映され、子ども達はみな釘付けになる。

その間に大人たちはお酒を飲んだり、交流したり、寝床の準備をしたり・・・。


防災キャンプということで泊り込みでした。_a0010575_1854327.jpg深夜、ポリ袋に水とお米を入れてそのままゆでてご飯を炊くという技で作られたご飯が回ってくる。・・・かたい。でも、そんな炊き方があるなんて・・・知らなかったですね。

で、それぞれの夜が更けてゆく。・・・。

僕は結局、ダンボールに入ったおもちゃの泣き声になかなか眠れず大失敗。
ずっと耳元でぴこぴこ鳴っているやつとか、16秒おきに「僕とおともだちになって~!」としゃべるやつやら。


防災キャンプということで泊り込みでした。_a0010575_1831215.jpg無視しようとしたが結局無視できずに、夜中にダンボールを押しのけて隔離してみたが・・・やはり聞こえてくる・・・。

ああ、おもちゃの霊にうなされ続けた一晩だった。 
で、朝、いつもの通りの防災体操、そして食事の配給。


防災キャンプということで泊り込みでした。_a0010575_23515240.jpgその後大人と子どもに別れてこの防災キャンプについてのディスカッション。
一応ディスカッションのナビゲーター役だったが、参加者が多すぎて、自己紹介で一回りして意見をのべて一回りしたところで解散時間。

まあ、皆さん、あとはそれぞれの地域で濃密なディスカッションを行ってください。

ということで、地域のいろいろなところで行うディスカッションと実験の大切さを実感

僕はほとんどなにもできなかったけど、結構いい方向性が見えてきたような気がしてちょっと満足。

実際に皆が当事者になって皆が考えて皆がなんらかのプログラムを作ろうとすることが大切で、決して与えられるものを受け取るような感覚と体質を身に着けるべきではないよなー。

もっと面白くて深い活動をどんどん作ってゆきましょう。

さて、都市全体の頑丈な企業や施設が開放されて避難所となる実験が拡がってゆくことを夢見て・・・。

皆さん、お疲れ様でした。

あー、疲れた。(なにもしなかったけど・・・)



by fuji-studio | 2007-05-06 12:06 | ○イザ!カエルキャラバン