取手のはらっぱ会議の報告ではないのですが・・・
a0010575_0453643.jpg今回、取手アートプロジェクト(TAP)の副題は「はらっぱ経由で逢いましょう。」取手市内在住のいろいろな人(作り手、表現者、演奏者など)や場所(お勧めの場所、いいところ、みどころ、拠点、際所)をリサーチしてそれぞれの場所を開放してもらい、一般公開しようという仕掛けだがその拠点として駅前にバスが発着でき、参加者が溜まれる場所を確保できたということは凄いことだった。

…今回はオープンスタジオを行うというプログラムの骨格が決まっていて、どのように作家にスタジオを開放してもらえるのかという難題からはじまった。それと並行して取手駅西口前に再開発計画の為に放置されていた茨城県施設跡地があり、そこを利用して何か行えないかというTAPのメンバーの意思があった。さらに同時に取手市がその跡地を「芸術の杜」として開発するという方針を発表したことが多重に重なり、僕が始めて取手に呼ばれてミーティングに参加したときメンバーはその状況を整理できずに戸惑っていたように思う。

a0010575_1530167.jpgしかし、メンバーの皆と話し合う中で「はらっぱ」と取手の各所をつなぐ取手ツアーのトラベルエイジェンシーのイメージが立ち上がり、取手を巡るアートな旅とオープンスタジオが絡み、TAPツアーデスクが入居する茨城県寮跡のヒルズ構想へと発展していった。僕の中ではかなりのイメージがその瞬間にでき上がっていたが、僕がそれを作り運営するわけにはいかないので、TAPのメンバーがそれぞれのイメージをぶつけ合い、混迷しつつもどうにか形になってゆく・・・というか、形になるプロセスにある。

a0010575_15275817.jpgはらっぱをヒルズに象徴される開発の背面として捉え、その両者の意味や役割を「考え形にしようとすること」そのものに実は深い意味がある。TAPが地域に根ざしたアートプロジェクトであり、アートプロジェクトが地域の様々な関係性を深め、人を育て、場の意味を問いかけるものであるとすれば、僕はそんな複雑なことを仕掛けなくても皆ではらっぱを楽しむだけで十分だと思っていた。しかし、実際、メンバーやインターンなど、それを形にする時点で悩み苦労した。


a0010575_1454617.jpgそのことがアートプロジェクトのもっとも重要なところであるが、実際に動いている間はそれを客観視する余裕なんてない。僕からすればもっといろいろ動いて楽しめばいいと思うのだが、作り手と受け手の関係を崩せずに受け手のためだけにしか作れない作家のように、自分の為に行動することに目覚めることは難しいことなのだと思う。


a0010575_14513331.jpgもっとも、社会的に責任のあるアートプロジェクトであるから、鑑賞者としての外部の視線も意識しなければならないが、それは作る側の意識の延長にある。表層ばかりを作っても仕方ないし、結局鑑賞者にその程度のことしか伝えることができないわけであるから・・・。


a0010575_14495881.jpgアートプロジェクトのマネジメントの根本的なところが結局はらっぱとヒルズの関係のことでもあるし、地域と開発によって計画される施設との関係のことでもある。

その原点・・・考え行動させてくれるところ。いや、何もしなくていいところといってもいい。はらっぱについてもっと違う形で違う角度からせめてみる機会がもっとあってもいいと思う。機能が位置づけられていない都市施設をなんでもない都市施設として位置づけること。なんでもないはらっぱを遊ぶプログラムのないワークショップ。閉鎖された空間を開放するシステム。安全を確保するための家庭教育と社会教育プログラム。はらっぱ的な無目的あいまいなもののデザイン・・・etc.


a0010575_14481934.jpgプロと市民と行政と研究者がもっと論議し、もっと形にしなければならないことがたくさんあると思う。日本の地域づくりのコンサルタントや研究者や行政担当者は何をしているんだ! っと思ってしまう・・・。とりあえず今回はらっぱ会議に出席した安井建築設計事務所皆さんや取手市東京芸大、そしてTAPのメンバーには将来を期待したいところです。・・・ね、森さん
by fuji-studio | 2005-11-12 23:59 | ■茨城・取手Art Project


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