四万十川の川くだり196km報告 その2
a0010575_13113477.jpg四万十川流域の中流域から下流にかけては、カヌーを使って川からの視点で撮影することにする。そこでお世話になったのが四万十塾の木村とーるさん。木村とーるさんは身長が193とかなりトールで、トレードマークの帽子をかぶれば196cmと四万十川の100000分の1の身長。そんなことはどうでもいいが、彼の活動力がすごい。
a0010575_13561148.jpg(彼の経歴はこちら) この流域がたまたま9月の台風で相当な水害にあってしまい、本来僕のカヌーのガイドどころではない状況。災害後の様々なボランティア活動を積極的に行っているとのこと。実際に平常水位よりも17.5mもあがったところがあるという四万十川中流域から下流にかけて、いたるところにゴミが引っかかっている。
a0010575_1405927.jpg多くの家屋が流され、浸水し、特に高齢者の多い地域だけに掃除や復旧作業もままならない。メディアがほとんど取り上げなかった災害だけに、外部からの支援活動も少なく、彼らが孤立奮闘している状態。川くだりの最中も彼は暇があれば災害後のゴミを拾い、流域の人に出会うごとに声をかけ、10mもある木に登ってビニプラゴミを取り除いていた。
a0010575_143726.jpg僕はその彼の姿に当てられ、四万十川の取材どころではなく、そのまま本来得意としているゴミ収集を行いたくなる衝動と葛藤する。途中しゃえんじりという理想的なコミュニティレストランで食事し、川を下り、屋形船の拠点の大川観光というキャンプ場で川からあがる。そこで不思議な出来事を呆然とながめ、その夜木村とーるさんの自宅兼四万十塾の本拠地のにお邪魔する。そこはソーラー・風力・水力発電と自然エネルギーを利用した、ほとんど手作りのログハウス。コールマンの製品であふれていいるところや永久に作りかけっぽいところが僕の自宅やスタジオと妙にシンクロする。小学6年生と3年生の子ども達の年齢も近い。そこで自然素材のおいしい料理をごちそうになり、栗焼酎ダバダ火振りを飲むが、自分自身の状態に酔えなくてとても疲れてくる。というか、この日はカヌー上のことよりもカヌーを降りた後のバイク青年や大川観光、四万十塾のメンバーの人間性や四万十塾の適正生活、そして水害の痕跡、それを乗り越えようとする住民、ボランティア…その他いろいろなことに遭遇しながらそれと対峙した濃厚な時間が四万十川の現在を凝縮しているようで自分自身それをどのように表現するのかまったくつかめなかった。


a0010575_14533917.jpg特に、1986-88年協力隊で赴任していたパプアニューギニアでの自然の中での生活体験やパプアニューギニアの海上で太平洋に流されほとんど生還不能になった恐怖経験、1993年に鹿児島で水害を体験し、その後の市民運動を体験した記憶、長年のテントでの生活体験、木村という同じ苗字のソーラー発電に人生をかけた義父のイメージや晩年水車を作り続けていた元奄美大島の船大工だったという祖父の姿。1997年以降ため続けている大量のビニプラゴミの分類と整理に追われる日常等と、とても重要で大切な様々僕自身の経験や記憶のとても大切な部分がこの四万十塾に凝縮されていて不思議な気持ちになりつつも、その何も語れないでいる自分に辟易していた。・・・何かの前兆かもしれない。
a0010575_14412824.jpgとにかく次の日、四万十塾から川に戻り、とにかく当初の目的地の河口に向かう。川の取材なんてどうでもよくなってきた。当初より川そのものを取材するつもりもなかったし、その流域の人の中に表現のヒントがたくさんあるのだと思っていた。四万十の魅力はそのような様々な人の思いであり、活動の集積である。
a0010575_14553148.jpgそんな基本的なことが認識できただけでも実はよかったのかな。旧中村市・・・現在の四万十市に架かる赤鉄橋まで、去年千葉から移住を決意してきたモッサンさん(四万十塾のボランティアスタッフ?)にいろいろな話を聞きながら、カヌーで下る。赤鉄橋の河川敷で、とーるさんと今回の仕掛け人アサヒビールの根本さんと合流する。
a0010575_1544766.jpgで、とーるさんの案内で、196kmの旅の終着点の河口を目指す。・・・とそこは四万十川と太平洋が交わる絶景が望める場所。四万十川の水が太平洋に注ぎ込み、太平洋の波が四万十川の水を飲み込んでいる。そしてその向こうには雨雲が黙黙と上流に向かって流れていた。 

・・・・おさまりもよろしいようで・・・

さて、次はこれの編集作業と四万十神楽交響楽をつくるワークショップ、そして発表! 乞うご期待!
by fuji-studio | 2005-10-15 23:10 | ■高知・四万十神楽交響楽


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