自分に向かい合う時間のためのツール
美術大学に入学して、A4サイズより小さな変形のいわゆるクロッキー帳を落書き帳として持ち歩いていた。

a0010575_0401016.jpg子どもの頃に東京の短大に行った姉から土産でもらった東京銀座の月光荘のホルンのマーク入りのクロッキー帳にあこがれていたが、それが手に入らず、それに似ている安価な普通の画材屋のクロッキー帳を納得しないままに使い続けていた。

それが30冊を越える頃に、ふとしたきっかけでかなりレトロな感じのコクヨの経理ノートに出合う。ページにナンバリングのある1冊1000円以上する経理用の帳簿だった。

罫線の感じはこのブログのスキンのデザインにほぼ近い。安価なクロッキー帳から高価なノートに持ち替えて以降、落書きが減り、文章を書くようになり、自分と向き合う時間が増えた。

大学院時代、パプアニューギニア時代、東京のサラリーマン時代、鹿児島時代と10年以上、いつもどこでもこのノートを持ち歩き、常に自分の時間をこのノートとすごし、自分に向かいあうツールとなり、40冊以上もストックされている。

僕自身はこのノートによって作られたといっても大げさではない。1998年のあるとき、コクヨはこのノートのデザインをマイナーチェンジした。(ちなみに写真に並んでいるノートがこれまで使い続けてきた経理用補助帳。一番右端に写っているノートがモデルチャンジしてしまったノート。背表紙のふくらみの違いに注目。)


a0010575_115143.jpgコクヨほどの大企業からすれば、単に経済性と効率性の為の、たいしたことはないデザイン仕様のマイナーチェンジだったと思うが、僕にとってはすごいショックだった。

表面上のスタイリングは変わらないように見せかけていたが、背表紙の材質とノートの綴じ方が簡略化されたのだと思う。

ノートの価値が100分の1になり、それ以降、僕はそのノートを使うことができなくなった。

それから僕自身路頭に迷う。無印ノート数種類。、大学ノート、クロッキー、ノートPC,ブログ、携帯といろいろな自分と向き合うツールを探すたびがはじまる。

で、最近ふとしたきっかけで安価なスケッチブックと出会うことになった。

コストコで10冊単位で売っているスケッチブック。

文字を書き、自分と向き合うことをやめ、とりあえずスケッチブックにイメージを描く・・・これまで忘れていた別の日常を求められているかもしれないなーと思い、ちょっと付き合ってみることにしようかと思う。10冊も纏め買いしたことだし・・・。

こんな自分に密接したツールでいとも簡単に自分自身なんて変わるんだと思う。
by fuji-studio | 2005-07-12 01:15 | ・思索雑感/ImageTrash


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