お気に入りの絵
2005年 06月 05日
「この絵との出会いが運命を変えてしまった・・・」なんていったら大げさですが・・・。
ミュージアム・シティ・天神という福岡の街を使ったアートプロジェクトに招待されて、福岡に滞在中のある日、ふと時間のスキマができて恒例の農家探しの旅に出かけた。
それまでも鹿児島、関西、和歌山、淡路島、広島と地図を拡げポイントを絞り歩いてみたり、知り合いのつてをたどってみたり、さんざん各地で家探しを行っていた。
1994年に福岡市美術館で開催されたアジア美術展に招待されて以来、福岡の近郊に住むことに興味を持ち始め、たまたま福岡の津屋崎に知り合いができた関係で津屋崎、福間、古賀あたりで古い農家を探していたが、なかなかいい出会いがなかった。
そんなある日、たまたま休みがとれたので、福岡県の地図を拡げ福岡市から西の唐津方面に伸びているJR筑肥線に興味を持ち、地下鉄で旅に出ることにした。
僕自身に課した贅沢な住まいの条件は以下のとおり。
1、海に夕日が沈む海水浴場(砂浜)の近くであること
2、家賃が安い農家であること
3、国際空港から1時間圏内であること
(4、できれば山や川や島がちかくにあるほうが望ましい。)
で、福岡市内天神地区から電車で40分ほどゆられてふと止まった駅で目に飛び込んできたのがこの素敵な一枚の絵画。
思わず電車から飛び降り、海に向かったわけです。
今朝も朝5時半のだれもいないホームでこの絵画(実は看板の挿絵なのですが・・・)を眺めしみじみしている自分に気づく。
僕が見つけてからかれこれ8年。
いったいいつからこの絵がここにあるのか知らない。で、いったい何人の人がこの絵のことを気にしているのか・・・。
僕にとってはこの絵は僕の人生を変えた貴重な一枚だというのに・・・なんて大げさだと思うでしょうが、小学校入学前からここに住み始め、ここの小学校や中学校を卒業し、ここで数多くの友人と出会う僕の子ども達にとっては確実に人生を変えられてしまった1枚の絵なんだと思う。
彼女達はそんなこと知らないし興味もないのだろうが・・・。作品の存在や価値なんてそんなものなのかなとしみじみしてしまうわけです。
・・・と電車にゆられもう博多駅に着きました。今から神戸に向かいます。