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2万7千人来場! 鹿児島テレビ放送局主催のアートマーケット!

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鹿児島テレビ放送KTSにロングランの番組、ナマイキ・VOICEというのがある。その番組が視聴者からの要望がきっかけではじめたアートマーケットが開催された。7年目の今年、なんと110組のアーティストが出展参加し、2万7千人の来場者があったらしい!すごい!すごい来場者。信じられない!
2万7千人来場! 鹿児島テレビ放送局主催のアートマーケット!_a0010575_23493575.jpgこれだけの観客を集めているアートイベントを他では聞いたことがない。アートで1日で、2万7000人ですから。かえっこで3000人でパニックっている場合ではないでしょう。
2万7千人来場! 鹿児島テレビ放送局主催のアートマーケット!_a0010575_0135875.jpg今回の審査員は写真左からイラストレーターの大寺聡さん、トウキョウトラッシュの山口裕美さん、で写真右から建築家の高崎正治さん、(元)霧島アートの森の学芸員の宮園広幸さん、鹿児島の情報誌coletteの荻原さんと僕。高崎さんとは何年ぶりだろうか?鹿児島に最初にお店をつくった1989年にはじめて鹿児島でお会いして92年のスパイラルでの展示「蛙の池シンポジウム」にもインタビューをさせていただき登場してもらった。1993年に銀座でカエルバーをやっていたときにお店に来ていただいたのが最後かな? 相変わらずすごいエネルギー! 大寺聡さんは僕が珍しく惚れ込んでしまったイラストレーター。1998年ごろ福岡で開催されていた展覧会で作品をたまたま見かけて作品に一目ぼれ。ファンメールを出してその後水戸芸術館で行った「バクの夢」のキャラクターデザインをしてもらい、それを楠丈さんが木彫で立体化したことがある。僕にとってはこのよく見知ったメンバーが同じ席にいることがとても不思議。なんともうれしくて仕方ない。

このアートイベント、そもそもテレビ番組への視聴者からのお便りからはじまったとか。鹿児島にはアートの表現の現場がとても少ない。 美術大学やアートやメディアやデザインについての研究機関もないし、市民工房のようなものも自由に使えるスタジオもないしギャラリーもきわめて少ない。表現する側も、観客の側も、アートという響きにかなり枯渇している現状は否めない。それが逆に力になってか、最初は小規模のアートマーケットだったらしいが、スタッフの思いや努力が力となって毎年規模が拡大し、今年7年目にはすごい盛り上がりとなった。そういえば会場には一般の人にも有名な村上隆も来ていて91年頃会って以来の再会。住んでいる世界が違うのか、活動しているフィールドがまったく違うのか、14年もあっていないことに改めて感心する。

110ブースもある会場のそれぞれの作品をひとつひとつなるべく丁寧にみて歩き、いろいろ興味深い可能性に出会い面白い。制作者が楽しんでいるのがよく伝わりとてもうらやましい。あの状態が一番楽しいのかもしれないなーと自分自身の昔を振り返る。僕は不幸なことに流通しているアートのイメージをなぞる状態では自分自身が満足できなくなっているのを知っている。アートのイメージからほど遠く、もっと新鮮で刺激的で画期的でなければ、自分の生涯の生活を犠牲にしてまでも表現者であらんとする状態に納得できないのだと思う。 

2万7千人来場! 鹿児島テレビ放送局主催のアートマーケット!_a0010575_0215642.jpgとりあえず、会場を廻って僕がいろいろ気になった中でダントツによかったのがいろいろな布や毛糸や微妙なものをつなぎ合わせて作っている服のような・・・作品。久しぶりに見る新鮮なセンス。杉山(熊谷)優子や大山由華的な独特のこだわりのセンスがすごくいい。とにかく彼女がグランプリ。nijiというブランド(?)の越間彩華さん。
2万7千人来場! 鹿児島テレビ放送局主催のアートマーケット!_a0010575_0211368.jpgバッグやアクセサリーや服を超えた可能性がにじみ出ている。表彰式が終わって知ったことだが、なんと越間さんの両親は奄美大島出身で大島紬にたずさわているとか。どこかで聞いたような話。で、よくよくたどっていくとなんと僕の遠い親戚だったことが判明。僕のおばのいとこのめい。不思議な縁でなんだかとても嬉しい。
2万7千人来場! 鹿児島テレビ放送局主催のアートマーケット!_a0010575_0224677.jpgで、他にもいろいろ洗練されたセンスの作品の作家もいたけど、いちばん気になったのがちゃぶ台でゆるゆるしながら、なにやってんだかわからない、zamza net 。これが一見、単にゆるゆるしているだけのようで、いや、実際ゆるゆるなのだが、実はいろいろ見て行くと複雑に表現がきめ細かい。3人の配置もバランスもいいのはたぶん偶然だろうが、まったく違う要素のような不明なディテールがあり、実は相当楽しめる仕掛けがしてある。この何にも属さない状態が彼らの世代のリアリティかもしれないということで僕はチェックしていたが、他の審査員はさほど重要視していなかったので僕が何の権威もないものの個人賞をつけることにした。

2万7千人来場! 鹿児島テレビ放送局主催のアートマーケット!_a0010575_0231847.jpgで、もうひとつ僕が推薦したのがオリジナルDVDとCDを販売していたCitroens Garden 。写真を詩と音楽という組み合わせで映像作品を作っているが、さりげない日常をセンスよく構成している。そう。コレぐらいのことってセンスさえよければ技術的にも機材的にも普通にだれでもできる時代になったんだよね。そんな時代性と単に好みで選ばせてもらった。鹿児島から福岡に向かう新幹線の中で全部見させてもらったけど、なかなかよかったですよ。どちらかといえば、インテリアっぽい。BGMやBGVとしての表現ももっと追求できるんだろうなと思いつつ・・・。
2万7千人来場! 鹿児島テレビ放送局主催のアートマーケット!_a0010575_0235829.jpgで、いい作品の紹介するときりがないのでこのぐらいにするとして・・・。ところで、ゲストで招待されていたスメリーさんに出会い、そのパフォーマンスに遭遇してしまった。すごい!すごくつまらなくて、すごくいい! バランスのセンスが最高! 申し訳ないけど今回の出品作家を皆ぶっ飛ばすぐらいのインパクト。さすがですね。いや、今までなんで知らなかったのだろう。やっぱり住む世界が違うの? で、僕にとっては建築家高崎正治とスメリーが一緒に盛り上がる状況がなぜか感動的。思わず写真をとってしまった。山口裕美と生スメリーと高崎正治の図。とてもアートマな1日でした。 KTSのスタッフの皆さん、本当にお世話になりました。
by fuji-studio | 2005-05-08 23:28 | ■鹿児島での活動