つくろうとする態度を、そこにつくる。
メルボルンのアートセンターの通りに面した芝生のところの屋外に、こちらは真冬だというのに3つのテントをたてて、その中で、アートセンターから出る廃材、…一年分のバックライトのプリントポスターを使って屋外の展示作品をつくるデモンストレーションを公開している。


a0010575_2203122.jpg2009年の大阪の中之島とか2008年のサンタフェビエンナーレで行った「かえるシステム」のメルボルン・アートセンターバージョンといったところ。

普通にいろいろな人がテントの中に入ってきて自由につくりはじめる。とくにここにはファシリテーターを置いていない。これは意図的ではなく、単に居なかっただけのこと。その代り僕と地元のアーティストとオランダからのインターンとかが、とにかく自分なりの作業を黙々とやっている状況がそこにある。


a0010575_221215.jpgたくさんの素材とたくさんの道具と、これまでにいろいろな来場者が制作したたくさんの行為の痕跡がそこにはあり…普通にだれもがつくれるハードルの低い空気が漂っている。

僕らはとにかく来場者に「こんにちは」「どうぞご自由に楽しんで」と声をかけるが、ひたすら黙々とつくり続ける態度をとる。何をすべきかとかなにを作るべきかなんてものはどこにもない。


a0010575_2214047.jpg不思議と皆がまねをして・・・思い思いのモノを作りはじめる。そして思い思いに帰ってゆく。

多いときには一日100人ぐらいの人が飛び入りで参加しする。それ以外に小学校、中学校、高校、大学生と数十人単位のクラスで参加して、思い思いに制作して楽しげに帰ってゆく。


a0010575_2221278.jpgなんども訪れる親子も登場したり、旅行者も参加したりしている。

出来上がったものは持って帰ってもいいし、そこに置いといて9月に一か月公開される屋外のインスタレーションガーデンの作品の一部として飾られることになる。


a0010575_2225856.jpg何かつくるものを決めてそれを作らせようとするワークショップではなく、素材と環境があり、そこに何かを作ろうと懸命になっている態度があることが重要なのだと思う。

その態度に連鎖してついついなにかを作ってしまうのだと思う。

ここにきて2週間が過ぎようとしている。このオープンスタジオのテントはそのままパフォーマンスのようであり、劇場のようであり、デモンストレーションとしてはとりあえず大きな意味のある場となっているが、2週間後からはじまる屋外のインスタレーションガーデンの作品がどのような方向性になるのかなかなか見えてこない。


a0010575_2232218.jpg使っているアートセンターの廃材、バックライトプリント紙が思いのほか使いづらく、苦戦している。去年下見に来て何か使える廃材はないかと話しているときにアートセンターからでる廃材としてこの特殊な素材の話になり、ほぼ一年間捨てずにとってもらっていた。

一見水に強く色鮮やかで丈夫でとてもいい素材なのだが、大きなストラクチャーをつくるには軽しぎてやわらかく、小さな工作には問題ないが大きな接合には接着方法も難しい。、風の強い川沿いの設置場所でしかも一か月持たせる為に強度を作るとなると、いろいろ難しい。


a0010575_2235138.jpgしかし、今日、アートセンターのフタッフと話をして、個人的にはようやくトンネルを抜けた気がした。混沌としているがそれなりの方向性が見えてきた。今回は特に僕の空間というわけではなく、地元のアーティストユニットと参加者とのコラボレーションとなるので、方向性は多種多様。それをガーデン見立てて、とある環境をつくる・・・のだとか。

さてどうなるか…

あと2週間。あっという間だなぁ。
by fuji-studio | 2012-08-10 22:08 | ■メルボルンでの活動


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