百手(ももて)祭りでの大飯食い
2005年 01月 23日
僕が8年前から暮らしている集落には記録のあるところで江戸時代から、毎年正月あけになるとてんこ盛りのご飯を食べる大飯食いの神事が伝わる。
23軒の集落の家長が集まり、大飯を食う祭り。
まず、神に祈願お払いをしてもらい、木の枝の弓と竹で作った矢で的を射抜く儀式があり、今年の豊作を占う。
見事中心を射抜けば豊作とか?
くじ引きで選ばれてた当番は代々伝わるおかずの準備をする。
大潮干潮の時にとある海岸であおさ海苔をとり、せりを収穫し、鯨の肉を仕入れ、結構大変。
ちなみにメニューは「あおさ海苔といわしの味噌汁」「せりと鯨肉のおひたし」「大根なますと丸干しいわし」「大豆の煮物」それにご飯。
お茶はなく日本酒が容赦なく注がれる。
最初の1杯目は普通盛りのご飯だが、2杯目は写真のようにてんこもり(これはカキ氷ではない)。
これを食べると容赦なく3杯目が盛られる。
3杯たべたところで、孫と呼ばれている最後の追い討ちのおまけ(これはほんの少し)が盛られ、最後に塩味のついたオモユをぶっかけそれをたいらげる。
そうしてようやく苦行の終了。
毎年正月を過ぎると胃拡張にしとかなければならない。
それ自体に意味を見出すのは難しいが、地域に身近でもっとも適正な素材(お米や地域の食材)とだれもができそうな適正技術(食べるという技術)を利用して、日常を超え限界に挑戦し「根拠のない自信」を養成するシステムとして、あるいは地域住民の結束を図る特殊なコミュニケーションシステムとして興味深い。
しかし、毎年参加する当事者としてはかなり胃に負担のある苦しい出来事なのだが・・・。
今年もどうにか3杯半、たいらげました。もう食えん!