いわき湯本の三函座
2011年 06月 26日
数年前にアリオスで行ったミーティングテーブル、plants!の参加者からここの話を聞き、当時から興味をもっていたが訪ねるのははじめて。
1997年に福岡ではじめたミーティングテーブルだが、話し合ううちにいろいろと気になる場所の話となる。
当時、気になる場所に関わる関わり方として、実践したのが「清掃・整備」からはじめるというルール。
絵描きがキャンバスを貼り、下地を塗り、描く環境をつくるように、まずはイメージを膨らませる前にその場所と深く関わる必要がある。
その関わり方の最も自然な手法が「清掃・整備」活動だと考えた。
当時はplant demonstration というユニットのようなものを作って博多駅近くの小学校跡地だとかその周辺を掃除して回った。
そのアイデアはいろいろなところで紹介しているが、いわきでもアリオスplants!で紹介し、その手法がいわき湯本を盛り上げようと活動している人に伝わり、この三函座にも繋がった。
この建物の立派そうに堂々としていつつも、実は日本のある時期に町の風景を変えていった看板建築であることが僕の心にしみる。
構造は古い講堂の建築とおなじような木造建築で、屋根はトタン葺。
建物の面する岩山との関係がとてもよく、なんともしみじみとしところ。
掃除の延長で、去年そこを30年ぶりぐらいに利用して、沖縄で活動する林君達がいろいろ遊んでいるのが聞こえていた。
もともと演芸場、それから映画館として利用されてきた三函座だが、戦争中はここから出兵していった人を見送ったとか、ちいきの重要な講演会とか集会とか、さまざまな記憶を持つ場だけに、地域の人の思いも強く、今後再生が期待される場でもあった。
しかし、今回の震災で相当がたついた様子。
以前の状態でも危険な場だったが、ますます危険度は増しているのかもしれない。
しかし、どうにかこれに手を入れたい。手を当てたい。手当したい。
震災、津波、放射能汚染となかなか苦しい福島だけに、記憶の再生の拠点となるところはしっかり手当して、何か凄い活動がつくられるところになればいい。
どなたか滞在してこの建造物の手当てに興味を持つ人いないかな・・・。
僕も動ける範囲で動きたいが…たぶん、相当急ぐのかも…。