九州新幹線開通をきっかけとした九州アートツーリズムの勉強会。
2011年 02月 10日
テーマは九州新幹線が開通直前に迫り、九州のアートツーリズムを考えるというような勉強会だったが、ゲストで登場した顔ぶれが興味深かった。鹿児島のテレビ局で音声を担当しているという万善さんと、熊本の中心市街地で本屋をやっている長崎さん。そしてミュージアムシティプロジェクト時代から福岡でのアートプロジェクトをコーディネートしている宮本さんと新博多駅の駅ビルの企画運営を行っている鮓本さん。
一見妙な顔ぶれでどこがアートツーリズムなんだろう…?と疑問が湧き出るが、実はそれがとても大切な顔ぶれたったことがジワーっと分かってくる。
鹿児島テレビが毎年2回づつ行っているナマイキvoiceのアートマーケット。それについての僕の報告ブログを見て今回のコーディネーターの徳永君が僕に連絡してきた。
テレビ局が番組制作の延長で行い始めたアートマーケットだが、もうすでにそれはテレビ局の番組制作の領域を超えて、鹿児島の表現者たちにとってとても重要なアートシステムとして連鎖しているという現状。
僕はこの勉強会のおかげで初めて知ることができたが、熊本の長崎書店。書店としてやるべきことは何かという課題にちゃんと向き合っているがゆえに、書店というあり方を超えてギャラリーをつくってみたり、ホールをつくってみたり、熊本出身者100名の推薦図書をいじりたおしたイベントを仕掛けてみたり…熊本の人達が感性を育てるうえでとても重要な拠点としてのみならず、ある種のシステムとして展開し、注目されている。
新博多駅も既成の駅ビルの概念を拡張し、九州各地に広がる魅力的活動拠点と連携をするための拠点として捉え、かなりオープンな受け入れ態勢を滲み出している。
そして九州アートゲートというシステムを模索する宮本さんは福岡でのあるいは博多駅でのアーティストの活動を仕掛けるというよりは、そのネットワーク形成のシステムを作り出そうとしている。
とにかく…それぞれがそれぞれの常識的な領域を超えて何かつぎの新しい地平を求め、連携の中で見えない価値を紡いでゆこうとしている態度がにじみ出ているディスカッションだった。
新幹線を動脈として捉えその血流がよくなると静脈や毛細血管の血流もよくなるはずだしそうあるべきだと思っている。
毛細血管の先にある九州各地に潜在するポイント(拠点?)…地域資源とそこで暮らす人とそこから発生する大切な活動に丁寧に向き合っている宝物としっかり適正な状態で繋がるような流れが醸成されることが一番たいせつなのではないかと思っている。
それが見えるステーションであって欲しい。