兵庫県と大阪府の県境、川西にあるクリーンセンター国崎でのワークショップとディスカッション
2010年 12月 23日
そこは里山ももっていて、その里山ともリンクしつつ、環境教育に力をいれようとしているのだとか。
4市町の廃棄物処理施設だけあって、日常的にいろいろな廃棄物が持ち込まれる施設。
その廃材のなかから使えそうな特選された素材を分類し、それを創作活動の素材として使えるようなシクミを組み込めないか…との思いを持った啓発施設の管理者が僕や椿さんや淀川テクニックやyottagrooveに声をかけてワークショップとディスカッションを行う。
もう10年前に福岡の古賀市にクリーンセンターができるときにそのリサイクルプラザの計画に関わり、その可能性を探ったことがある。
提案のほとんどは実現できなかったが、運営の主体に意識の高い市民が関わるきっかけとなり、大切な活動の連鎖は作り出しているとか…
そもそも広い制作スタジオを確保できる空間的に余裕のある大型施設であるし、倉庫や展示室も確保もしやすく、なんといっても、素材を狙って集めようとする意志を持つと…ありとあらゆる素材をかなりの量で集めることができる。
そこに必要なのはそれを利用して何かに活かそうとするエネルギーと分別のエネルギー。
僕らのように…何かをいじりたくて…作ってしまう性質の者にとっては…あらゆる素材が集まってくるこの現場は相当創作意欲やイメージをかきたてる。
1000種類ぐらいの素材の分別ショーケースと自由に使える工房と、そこで懸命に制作するアーティストや工芸家、あるいは学生…時にはへんなおっちゃん…などの懸命に素材に向かい合う姿がそこにあることで、相当面白いモノゴトを作り出す現場になる。
しかもクオリティの高い展示空間を設ければ、そのまま上質の作品を常時展示しておくいちに可能になるだろうし、作品の流通の拠点になる可能性もある。
いいプログラムを用意しなければならないのでなないかと勘違いしがちであるが、そうは思わない。
自主的に発生するプログラムを受け入れるシステムと、素材に向かい合う懸命な態度があればそこから面白い連鎖は広がる…と確信する。
問題はその場所が…ここもそうだが…交通の不便な…公共交通機関では行き着けない辺鄙な場所にあり、そこに宿泊できない現状と…
廃棄物処理法やリサイクル法などの法規上の規制や廃棄物を扱う資格業者の利権等…それがその可能性の連鎖を阻害している。
この10年ぐらいにできたほとんどの処理施設には若干の制作工房や家具工房、自転車修理工房などもあるが、多くの場合換気設備が不十分だったり、本格的な作業や簡単な塗装すらできない工房も多く、専門的に大量の素材を使うスタジオとしては機能していない。
実際に作業場で手や体を動かして本気で制作の仕事をしたことのない人が設計しているのだから仕方ない。
処理施設にアーティストインレジデンス機能を付属させ、自由に滞在し制作と料理などができるスタジオや滞在施設、さらに温泉なども併設し(露天風呂でいいかな…。)、まあ、ちかくのチャンプ場でもいいが…
同時に廃棄物になる前の素材を選別し確保できるシクミとそれを分類しストックする場を設けることで…地域の中での有益な活動への連鎖をつくりだすような魅力的な場となる可能性は随分と高まる。
さらにそれが24時間利用可能な自由工房みたいになるとさらにいいんだけど…
しかし、なかなか常識的な管理・運営の発想では難しいだろうな。…
それにしてもこの
ヨタグルーブの焼き芋カー、金時は最高。
最高の焼き芋環境を作り出している。このぐらいのありえなさに心は動く。
ディスカッションでは、この処理施設自体に大学などの研究機関が入ってきて、その活用法を考えたり、地域の活動に繋げるシクミを考えてゆくことも必要…との意見も。
どんな場でもどんなモノゴトでも…何かを超えるあり方が素晴らしい。
そうなんですよ。超えた存在じゃないと本当に興味なんて持てない。
参加者が少ない中でも淡々と作業をこなし、時間内にしっかりした仕事を仕上げる淀川テクニック。
その態度がこのような施設には必要なんだと思う。
地域社会のためとかエコのためとか…大きな他のためではなくて、自分の感覚の為に…淡々と作業をする態度。
そうそう。最近気になっている「作業」と「仕事」と「労働」の違いについてもちょっとだけディスカッションでぶつけてみた。
大切なのは作業。作業は自分や周辺の関係をとてもよくする大切な行為…ということ。
地方や田舎、あるいは都市部でも、最近「仕事がない…」のが問題ですが、実はやったほうが幸せになれる作業であふれている…と思うんです。
その話はまたいづれ…。