霧島アートの森でのKTSアートマーケット
鹿児島のテレビ局KTSが視聴者の「アートに出会う機会が少ない」との意見から、じゃあ、自分たちでアートと出会う場をつくろうとはじめた「アートマーケット」も15回目をむかえるのだとか。

a0010575_95472.jpg以前は一年に一度だけ開催していたと思っていたが、現在では一年に2回開催しているのだとか。

鹿児島中央駅のアミュプラザでの開催と霧島アートの森での開催。


a0010575_97554.jpg今日も5千人を超える(
? 未確認情報)観客が霧島のアートの森にやってきて、…確かにアートマーケットを楽しんでいた。


a0010575_982534.jpg僕が最初にかかわったのは2005年・・・だと思うのでもう5年前

当初は市内の中心市街地の公園で行うフリーマーケットの延長からはじまったと思うが、2006年からこの霧島アートの森で行うようになり、随分と意味とか役割も変化してきている。


a0010575_98529.jpg最近、いろいろな現場で、特に若い作家に対して「日常の行為」と「表現行為」の違いの話をしつつ、そしてさらにその「表現行為」を作品化する「システムとフォーマット」について話をすることが増えてきた。


a0010575_991181.jpg「作品を発表する機会が少ない」という意見や、「アート作品に出会える機会が少ない」という意見は、そのままその地域がどのようなアートシステムを持っているのかの問題につながるのだと捉えている、


a0010575_992584.jpgこれまでいろいろな地域での表現の現場を体験してきた経験から話すと、どんな地域もそれなりのアートシステムは必ず存在している。

しかし、多くの場合、大学と美術館と新聞社というような近代を作ってきた力に寄り添うような美術システムが、異端の要素を排除しながら権利を獲得してきた類のものが多く、若い感性になじまないものだったり、閉鎖的なものだったり、拡張性に乏しいものだったり…趣味的な同好会だったり…


a0010575_994595.jpg地域の生活者の精神的な…あるいは身体的なニーズにかけなれたものである場合も多かったのかもしれない。

ところが、70年代以降、空間の問題が発生して以来…(なのかどうかは専門家に聞かないとわからないが…)貸しギャラリーのシステムが登場し、商業施設や企業による公募展がはじまり…


a0010575_91046.jpg空間の問題から場の問題へと繋がり、そこからシステム型の表現へと拡張する中で、表現活動を「発表する」システムは多様化してきた…ことについてはこのブログでも何度か書き込んでいるなぁ


a0010575_9102258.jpgこのアートマーケットについて捉えると、この5年間の変遷は作家の変遷も興味深いが、その構造的な変化と注目するとさらに興味深いかも…。


a0010575_9113731.jpg地域のテレビ局が番組制作の延長で発生してきたというアートシステムのあり方も興味深いが、それが新しい感性を求める表現者やアートを求める生活者に受け入れられ、地域における既存の美術システムでは実行困難なフォーマットとして機能し…


a0010575_9105968.jpgそれが鹿児島にできた商業施設や霧島アートの森などの恒例の集客イベントとして定着し始めているという面白さ。

地域アートプロジェクトの延長に瀬戸内国際芸術祭などのアートツーリズムと呼ばれはじめた地域経済とからむアートイベントが発生したのに似て、地域でのアートのポジションは変化しつつあるのかもしれない。


a0010575_9111246.jpg80年代半ばから地域が模索してきた国際演劇祭や音楽祭、映像祭などの祭りの流れと並行して、このようなマーケットというフォーマットが流通している事実も見逃してはいけない。

表現者には多くの開かれた発表の現場があるということを知ることも大切だが、そのうえで、注意しなければならないことは、あらゆるフォーマットはどのような表現をも規制し規定するという事実。


a0010575_9131335.jpg「絵画」や「ギャラリー」というフォーマットに代表されるように、フォーマットを限定するがゆえにその中で自由になれることも事実だと思うが、その自由さの裏側に多くの…無意識に排除された表現の可能性があるということ。


a0010575_9134193.jpgだからこそ自分を超えようと…自分のあり方を変えようと…右往左往する表現者は可能な限りあらゆるシステムでの作品化を試みる必要があるのだと思うし、様々なフォーマットへの編集能力も鍛えるべきだと思っている。


a0010575_9135850.jpgそして、最も重要なことはシステムを変えることで出会う人が変わるということ

霧島アートの森というそもそも美術館システムの延長に作られた場でアートマーケットというフォーマットが起動することが奇跡的で興味深いことだが、現場ではそれよりも…


a0010575_9141551.jpgその場でのその出来事に興味を持った数多くの人と出会えることではじまる可能性に注目すべきだと思う。

このようなアートシステムはもっと面白い現場とのつながりを開発する可能性があるし、そこでしか発生しえない観客と表現者との関係を思うと…ぞくぞくするなー。
by fuji-studio | 2010-11-03 19:40 | ■鹿児島での活動


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