北本ビタミン 西尾美也、wah、北澤潤からの連鎖
北本に最初にやってきたのは…2008年の5月…そうかまだ2年と少しだけなんだな。もう3年以上関わっている感じがしていた。

a0010575_22382671.jpgこのブログを書き始めてから記録がかなり正確に検索できるようになったので便利。その記録によると最初に北本に呼ばれて何ができるか考えるためにその2か月後には北本アーツキャンプのチラシポスターを制作し、北本市役所の全職員に配布してもらった。

アーツキャンプという手法は1997年に福岡で始めたミーティングテーブル「plant」の合宿型の変形で、2006年に筑前深江アーツキャンプを地元のPTA主催で実施した経験があった。


a0010575_2324227.jpg地域の中でイメージ作るためにはいろいろな人とのディスカッションを重ねることで初めて発生すると思っいたので、そこから始めた。

8月のお盆の時期の5日間の合宿はどちらかというと地域や地域で活動している人と出会う為のリサーチだったが、それを踏まえて冬のキャンプがはじまり、興味深いデザイナーやアーティストがかかわるようになってきた。 


a0010575_2341471.jpgその中でもいち早くアクションをおこし、独自のプロジェクトを展開しはじめたのが西尾美也

彼の活動は2005年の取手アートプロジェクトの時から自主的にスタッフユニフォームの提案をいろいろしてくれていたので関係が深い。


a0010575_2352026.jpg京都にある大川センター運営のCAMPが行っているワークショップ「ふくのりゆう」に注目して以来、いろいろな現場で接点があった。

今年は去年まで北本や他の各地で展開してきたプロジェクトの素材を生地として最終的に服に戻しコミュニティ活動へと繋げてゆこうという新しい展開。


a0010575_2365756.jpgその実験の場が北本に暮らす若いデザイナープロジェクト「北本デザインプロジェクト」が自主的に改装して拠点していた「氷室(ひむろ)」

今年の北本ビタミンの活動がこれまでの2年間のそれぞれの活動をベースに、それぞれがいい形でリンクしてゆく流れを感じることができて、なんだかうれしい。


a0010575_761890.jpgwahの活動が北本にリンクし始めたのは西尾君のプロジェクトの北本タワー2階の工房の後、wah document officeとしての改装が始まってから。

彼らの活動としては珍しく、まず事務所を設け、新しい活動の形態を模索していたんだなと、今になって初めてわかる。

家を持ち上げるプロジェクトの主体のチーム名が「orera」であるのに対して、北本団地の空き物件で展開したプロジェクトの主体は「はみ出し探検隊」

北本団地の小中学生が中心となって、無人島に行くというプロセスをいろいろいじっている。


a0010575_772454.jpg「はみ出し探検隊」の活動のゴールは「無人島で過ごす」という極めてシンプルなものだが、そのプロセスをめいいっぱいいじっているのがwah document。

僕が最近活動の拠点としている豊島などの瀬戸内までくれば簡単に実現できる計画だが、わざわざ無人島にわたるには漁船がいるという理由を作り出し、漁船を千葉の漁港から運んできたのだとか。

なるほど。wahの活動のツボはまともそうに見せて、実は大きくズラす。そのズレ様の魅力だなと見えてきた。


a0010575_7103090.jpgそして北本団地の商店街の空き店舗で「Living Room」という活動を続けている北澤潤

やはり北本アーツキャンプのプレゼンテーションから彼の活動を知ることになったが、興味深い取りくみを、とてもまじめに「美術」に向かいつつ、しかも、団地に半分暮らしながら、その活動を地道に展開しているのが興味深い。


a0010575_7114031.jpg意図的に意図せぬ展開を仕掛け、現象を受け入れ、それを記述し、そして次の展開を仕掛ける。プロセスのあり方として注目すべき手法だと思う。 

内容はぜひ彼のブログサイトの報告をたどってもらいたいが…何もないところから北本団地の住民に使わなくなった家具を集める所から始め、集まりつつある家具でリビングルームを制作し…子どもたちの遊び場として開放しつつ…そのうち物々交換できるリビングルームとして…。

一つの場でありながら、用途が自然と変化してゆく状況。


a0010575_7123674.jpgそして偶然なのか、意図したのか…カラオケセットとかピアノとかがそろったところで「リビングコンサート」

常連の団地の子ども達が最前列で手伝いながら、地元の人のコンサートが催され盛り上がる。

地域は素晴らしい人材の宝庫だ。アートという文脈に縛られていたのでは絶対に出会えない人材にも、開放系のシステムを持つことで出会う可能性が生じてくる。


a0010575_7132856.jpg常にあらゆることにオープンになりながら、興味深いところに自由に移動できて、興味深い人と出会うシステムを作り出すこと。

北澤君の表現はそのような方向性あるのだろうし、だとすると相当うまくいったことになる。

美術に縛られない美術表現をどこまで実現できるかが、美術表現の可能性を広げてゆくことだと意図していると信じよう。

とにかく、北本ビタミン、来年2月にさらなる展開。

ところで、僕はなにしたらいいんだろう。

そろそろ僕にも何かやらせて欲しいな。

彼らに負けない表現…無理かな。いろいろハンディあるなぁ。
by fuji-studio | 2010-10-11 23:25 | ◎埼玉・北本ビタミン


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