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去年紹介したみなみ幼稚園の持つ森で大人達が遊ぶ。

去年の日本文化デザイン会議の会場となったみなみ幼稚園の魅力については去年のブログで紹介したが、そこが河川の周辺に40年前から森を作っていて、そこが園児の遊び場になっているという話を去年から聞いていて、一度訪れたいと思っていた。

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今年の日本文化デザイン会議ではその自然教育園となづけられた森を会場としてお借りして、建築家やその学生たちが森のカフェをプロデュースし、大人が遊び心で森を使う実験。


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初日のデザイン会議のオープニングレセプションはこの森で行われる予定だったが、あいにくの雨。

この森で開かれたらどれほど心地よかっただろう。いい音楽といい食べ物といいお酒といい友人たちと…一番の贅沢だな。


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森の中のカフェはイメージとしてはだれもが憧れるが、実際に運営するとなるといろいろ難しい面もある。

このような地域イベントとしてそのカフェが実現できるのはとてもうれしい。それにしても、この森には幼稚園児がやってきて、思い思いに遊ぶのだとか。

たまには保護者と園児が手作りのマーケットを出してフリーマーケットを楽しむのだとか。


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子どもに遊びや学びやワークショップなどのプログラムを押し付けるのではなく、子どもたちが…あるいはおとなた達も…自由にそれぞれ好き勝手に…というか、思い思いに自分の行動を発見できる場がうらやましい。


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先日、福岡の自宅まで訪ねてきてくれた子ども達との活動に問題意識を持つプロフェッショナルとの会話を思い出した。

子どもの遊びを導く大人のあり方についてのヒヤリングをしにわざわざ福岡までやってきてくれたのだが、そのとき会話の中ではじめてある考えに気づかされた。


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子どもにとっては遊びと学習の区別がないということ。

子どもはただ目の前の現象に夢中になる。

自分の行動に夢中になる。


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そこに遊びとか学習とか教育とか…そのフレームをつくるのは大人の価値観。

何かをさせようとしたり何かを教えようとする大人の常識や価値観が子ども達の「自分で見つけ出す」という貴重なチャンスをいかに邪魔し、阻害し、歪曲させているか。


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あるいは…何かにおびえ、何かを感じ、何かを見つけ出し、何かを乗り越え、何かに夢中になる…

そんな貴重な宝物のような時間をいかに阻害し、剥奪しているか。


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この森は優しいばかりではなく、しっかりその敷地の中に「不思議な怖いところ」を作っている。

そう、森はそもそも優しい安心できる場というよりはむしろ神秘的なところ。

それは意図的なのかどうかはわからないが、まるで魔法使いが住んでそうな…国籍を超え、現実を超えた空間。


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実は理事長の柳瀬さんが長年趣味で集めた骨董のランプやガラス瓶が飾られた事務所。

友人の出店する蚤の市で感覚的に興味のあるものを集めていると知らず知らずのうちにランプやガラスなどがたくさん集まったのだそうだ。


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何か作為的に子どもの空間を作ろうとしたわけではなく、柳瀬さんの感性や生き方や子どもの教育に対するしっかりした理念のようなものが核となり、その空間をにじみ出しているのが素晴らしい。

そしてここで幼稚園の頃育った子どもたちがまた大人になり、ここで、そのころのことを思い出し、感性に正直な活動を行うことができる「まちのシクミ」も素晴らしい。

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ところで…この施設の中に貼ってある一枚の写真僕は見逃さなかった。

なんと! ポニーの馬車!

これぞ僕が北本の駅前に降り立った時にイメージしてしまった姿。

北本でなくもいいが、どこかの自治体とがっつりやりたいイメージ。

牧場を市民が経営し、駅前の雑木林の中にロバやポニーがひくコミュニティ馬車が市内を運行するまち。

それが実現できるのはまだまだ先なのかな。経済のためや地域の活性化の為にはたらくのではなく、個人の精神の豊かさの為に働く人が増えるような地域に育つのはいつの日か…。
by fuji-studio | 2010-10-11 23:31 | 埼玉・北本ビタミン