北本で家を持ち上げました。
北本ビタミンの活動がきっかけとなって北本に拠点を構えたwah document

a0010575_16543052.jpgこれまではwahの活動はwahが主体的に行うと思われてしまうことに違和感を持っていたのだろうか。

今回はwah documentというwahの記録、運営の事務所を北本に制作することから活動をはじめ、主体をいろいろなチームが行うという新しいフレームを用意して北本の様々な活動を展開している。


a0010575_1765650.jpg今回の日本文化デザイン会議の中で行った活動の中心は「おもしろ不動産」
北本市内にあるいろいろな魅力的な物件を使うシクミを模索する活動。

そのひとつ、西高尾の空き家をwah documentのメンバーでもある増井君の学生がチームをつくりその利用方法と改装方法を試行錯誤してきた。


a0010575_2235741.jpgそのチーム名はorera なんと京都造形芸術大学の一年生。

美術大学の一年生なので、…こういう言い方をすると失礼だと思うが、制作の経験もほどんどなく、地域社会にどのように接すればいいかの経験もなく、対人関係のコミュニケーションのあり方すらもまだ模索中の年頃。

もちろん家を持ち上げたことなんか一度もない。


a0010575_2273638.jpgその彼らがwah documentや北本ビタミンや北本市役所、地域住民の力を借りながら実現したのが今回の「家を持ち上げる」というミッションを設定した「筋トレハウジング」

空き家の利用と改装ほ方向性を考えるうちに「持ち上げる」という改装方法へとたどり着いたのだとか。そのズレが痛快で仕方ない。


a0010575_2285836.jpg経験が少ないということは実現可能かどうかの無意識の判断を経験から行わないという点で優位にある。

逆に経験を重ねたおっちゃんが面白い発想ができなくなってゆく根拠はそこにある。

経験がないがゆえに、(wahの場合は経験からだと思うが)あまりにもばかばかしい到達点を選択してそのありえない交渉と苦労と労働を重ね、地域の中に様々な積極的でポジティブな摩擦を生じさせるという手法。


a0010575_22114921.jpg心や感情は挫折と失望と感動を重ねることで育てられるという話を以前話したことがあるが、地域社会の中にありえない事件を生じさせて、それの参加を促し、その制作過程を共有し、問題を乗り越えつつ実現に向かうプロセスそのものが価値がある。 

そんな明るい事件を地域社会の中に発生させることができるアートプロジェクトが可能だとすれば、アートも悪くないかもしれない。


a0010575_22132278.jpgかなり興味深い活動だったので、参加前からツイッターでその参加を呼びかけつつ、僕自身も家を持ち上げる体験に参加する。

前日までは、持ち上げるために必要と予想されていた200人という人数にまったく届かないという話だったが、当日いろいろなところから…子どもから家族連れから高校生から高齢者まで…200人を超える参加者があつまり実現する。 


a0010575_2216615.jpg若いチーム、oreraの当日の現場の段取りや発言はありえないぐらいグラグラのダメダメで…しかし、その現場に集まった参加者はジワーっと彼らをささえるモードにみんなが変換され、観客も含め、みんなが我慢強く「家を持ち上げる」というあまりにもわかりやすい一点のベクトルに向かう。


a0010575_22183450.jpg9時から集まって持ち上がったのは…そういう事情なので…12時。

何度かの掛け声だけの練習の後、本番の掛け声とともに200人の肩に家が食い込む。

ググッと重さを感じた後、ふっと家を持ち上げる感触。…と同時にこぼれ聞こえる驚きと感動の
声。さん、に、いちの掛け声の後、重さと感動に耐えながら家をゆっくり肩からおろす。

肩から家を下した瞬間、家の中と外のあちこちから沸き出てくる歓喜歓声。

いやー、生涯たぶん二度と体験できない肩に刻み込まれた持ち上げた家の感触。

北本のみなさん、関係者の皆さん、本当にありがとうございました。

wah documentのブログでも報告があります。持ち上げた瞬間の動画もリンクしていますのでぜひご覧ください。そして、今後、このようなチャンスがあれば、ぜひ逃さないように。
by fuji-studio | 2010-10-11 13:28 | ◎埼玉・北本ビタミン


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