ボーダーを行き来する人の態度の魅力。
2010年 10月 09日
でも森本千絵という人とは初めての出会いで、どういう人かまったく予備知識がない状態でセッションに入る。
広告の仕事をしてきた人だが、相当はみ出た仕事をしてきたらしい。最近新しくはじまったNHK朝の連続ドラマのタイトルバックの踊るプロジェクトを作っている人だというので相当旬なアートディレクター。
日比野さんの発言もツボをついてきて興味深いが、広告などの流通の世界にいる人と話す機会は少ないので森本さんの態度はかなり新鮮で面白かった。
セッションの中でも話したが、最近ボーダーを行き来している活動に魅かれていることを自覚してきた。
島と縞はもともと同じ意味だったとかで、島も縞もボーダー。
ボーダーとはエリアの交差する状態をいうのだそうで。ここは俺のシマというシマともつながっているのだとか。こんな話小学校の時に聞きたかった。
僕の遺伝子の中で騒いでいるのはそのボーダーを行き来して動こうとする態度なのかもしれない・・と。
たとえば広告なり、あるいは美術なり、政治なり…なんでもいいのだが、その中心にどしっとしながら動かない態度ではなく、ある領域と別の領域の中を行き来しながらボーダレスな態度。
そこに何か魅かれるものがあるのだろう。
森本さんの話や日比野さんの話を聞いていて、司会をしてくれた森さんもまた…このセッションはまさにボーダーからはみ出ようとしたりボーダーを拡張したり、ボーダーの内部を大切にしながらもボーダーに囚われない人達だなーとうれしくなった。
行政ももっと「もはやこれは行政ではない!」というぐらいの活動ができれば魅力的なのに。
セッションのあと、森本さんが最近出版した「うたう作品集」をプレゼントしていただいた。
僕が僕にも「うたう」という作品のシリーズがあり、「うたう」っていいですよね。との話をしたからだと思う。
中身を見て驚いた。僕はテレビを見ないのでほとんど知らないが、これまで彼女が広告の世界でつくってきたイメージの膨大な仕事の態度がはみ出ていた。
なるほど。その仕事はアートの領域の仕事ではないが、もはやアートとしか言えないような内容の仕事。まさに興味あるあり方。
広告というフォーマットでいろいろな人との関係の中で無茶なイメージを作っている…ひとりwahというかんじ。
だから森君は僕にぶつけたかったのだな。日比野さんを間に挟んで。
もっともっとボーダーを行き来している人はいるんだろうな。アートの外側に特にたくさん。
もろもろ、ありがとうございました。