たとえば足跡・・・のような心を和ませる風景。
2010年 09月 22日
もともとそのようなすばらしい風景に日常接することが少ない人へ、その体感を繋ぐシステムとしてこのような地域系のアートプロジェクトは仕掛けられたりもする。
長い年月が作ってきたものや島の人の深い志の結果紡がれてきた風景。
なるべく冷静に眺めようとするが、自分はそこにまだまだ介入できないでいる未熟者であると思い知ることしばしば・・・。もっと僕には物理的な時間が必要だ。
そのかなでも比較的軽く紹介できるのが道路に刻まれた島の動物の足跡。
だれかがつくろうとしたわけではなく、むしろ意図せぬところにできてしまったところも面白いが、それをそのまま存在させるおおらかさが素敵。
そこには島の人の価値観がにじみ出ている。
施工後にこの足跡を見て神経質に怒ってしまったか、それとも施工後ノコノコとやってきた動物の姿を想像して笑みを浮かべたのか・・・。動物の歩く姿を想像して楽しくなれる生活は素敵だと思う。
それと・・・施工者と発注者の関係も見えてくる。
島の人はあらゆる工事を自分たちの手で行っているのだろう。これが納品すべき仕事だったらこの足跡はおそらく許されない。
発注者と施工者が同じであるか、特別な信頼関係になければこのような足跡は残されていないような気がする。
あるいは、これを意図して制作していたとしたら・・・相当な表現力と豊かなイメージ力を持つ猛者かも・・・
とにかく・・・特につまらない作品を見た後やいやな感情を抱いたあとでも、このような素敵なものを見つけると心が和みます。
そういえば・・・一つめの足跡写真は興味深い作家作品のところに友人を再び連れて行ったとき、パスポートにスタンプが押されていたために300円請求されて不幸な気持ちになった時。2つめの足跡写真は30分ほど立ちっぱなしで並ばされて中に入ると悲惨な作品だったので吐き気がして気分が悪くなったあとに見つけた救いの足跡。