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青森ねぶたのありえない連鎖は大阪の中之島を経由して福岡を目指す。

青森ねぶたの大型ねぶた一台分を廃棄処分する前の状態でもらいうけてきて、とにかくそれを分別する日々を送っていた。

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たまたま20歳の頃に制作した八方睨みの龍モドキ作品の下で解体作業をしていた縁だろうか・・・龍のパワーか!

なんとも面白く、興味深い予期せぬ展開になってきた。


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ものごとはあるがままにあり、そこに関わろうとする意志をもたなければ、何の関わりもなく、そのまま過ぎてゆく。

しかし、どこかで覚悟を決めて、引き受けてみることで、自分をとりまくいろいろな関係が変わり、自分の中での意味が変化し、あらゆる存在のあり方が変わる。

今回はどうにも無視できないねぶたの廃材を・・・どういしょうという方向性もビジョンもないままに・・・とにかく引き受けてみるという覚悟だけで関わってきた。


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ぐちゃぐちゃに絡み合った木材と針金と和紙を取り外し、ねじを抜き取り、折れている木材をきれいに切りそろえるというかなり根気の必要な作業。

搬入作業からはじめた作業だが、展覧会期間中もその作業は続き・・・展覧会終了後もその作業が続いた。


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作業が展示前と展示中と展示後とまったく同じ作業をしているというのはとても珍しい。

青森で作業をすすめるうちに大阪の中之島の天神橋の下に年末なんらかの作品を展示する話が湧き出てきたり・・・、


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九州新幹線全線開通にともなってあたらしく出来る博多駅の吹き抜けに作品展示の話が出てきたり・・・。

で、ずっといじっているねぶたの廃材がもともとなんだったのかをそれほど重要視していなかったのだが・・


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もともとこのねぶたのタイトルは「天神 菅原道真」

なんと大宰府に左遷された
菅原道真の霊が雷神の怨霊となって復讐する様子をねぶたで表現したものだった。


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菅原道真の霊を鎮めるために全国に広がった天神信仰・・・とにかく天神菅原道真の解体されたネブタが天神橋の下で海蛇になり復活し、さらに博多駅で龍になって天に登る・・・というストーリーが発生した。


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結局、ねぶた一台分の廃材は夏休みの間、国際芸術センター展覧会場につくられた工房で自由に持ち帰ってもらっていたので、半分ほどの量に減り、それをさらに分別して・・・

1000本ほどの木材と500ピースほどの針金の塊、それ以上の和紙のピース、そして取り外された数万本のビスと切り取られた針金破片に分別され・・・


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「天神 菅原道真」の魂は数万ピースの素材となって、大阪中之島の天神橋の下を経由して博多駅へと旅に出る。

ところで・・・秋田からやってきたトラックは「大翔運送」

大阪の石切の明治大理石の倉庫に旅立った。

こんな物語、作ろうとしてもなかなか作れるものではない。何かを引き受け、現実を見渡して編集することで発生する物語なのだろうな・・・と思う。

しかし、大変なものを引き受けてしまった。
by fuji-studio | 2010-09-11 11:07 | 青森・十和田での活動