豊島の藤島八十郎の家への訪問客
2010年 08月 24日
東京、関西をはじめ、日本全国各地から、あるいは海外から、地域の常連さんやら、毎日遊びに来る近くの子ども達とか・・・たまには野菜や魚や漬物を差し入れてくれる近所の人とか、お酒やお菓子を差し入れてくれる遠方からの知り合いとか・・・。
とにかく連日150人~300人程度の数の人が藤島八十郎の家と、豊島タワーを楽しんでくれている。
有名人の家ならまだしも、無名で、実存してなくて・・・さらに駄目な奴の家にこれだけ来るのは瀬戸内国際というシステムの凄さゆえ。(いいもわるいもなく・・・)
今日は地元の日焼けしたお兄さんが焼酎付けのマムシの一升瓶と生きたマムシが入っている一升瓶を2本提げてきて、なぜだか2本ともおいていってくれたり・・・危険ですね・・・。
このマムシ君、毎日水をかえてやると餌がなくてもなかり長い間でも生き続けるほども凄い生命力なのだとか。
豊島の山にはこのマムシが結構たくさんいるとかで、かまれてしまったら大変。島には救急車がきてくれないので、宇野の病院までチャーター船で走らなければならないのかな・・・?
藤島八十郎の家は撮影自由、持込自由、台所でもリビングでも、冷蔵庫の中まで自由に使っていい空間になっているので、勝手に冷蔵庫の中のビールを取り出して庭の休憩所でくつろぐお客さんや、本棚の中から気になる本を取り出して、一冊読みきって帰ってゆくお客さんも。
飲み物とかについては実費をカンパ用のサザエ型の陶器に各自が自主的に入れてもらうシステムになっていますが・・・。
不思議なことにここの来客はなぜだかとても質が高い。
ふと話し始めるとなかなかのつわものだったり、凄い人だったり、相当ズレていて興味深いことを言う人だったり。
地元のおじいちゃんが不思議がっているのは「みんな愛想がよくて、だれでもあいさつしてくる。」とのこと。確かにこの炎天下にもかかわらず、皆さん笑顔で挨拶してきてくれて、ニコニコと楽しそう。
そんななか、昨日はリリーフランキーさんという人がやってきてくれて、帰り際に自分の著作の「東京タワー」という本をかばんから取り出して、藤島八十郎の本棚に差し込んでくれた。
すかさず、サインをお願いし・・・ 東京タワーの作者が豊島タワーに上ってくれたことが妙に愉快。
リリーフランキーさんに物語がつくれない藤島八十郎の話をすると、「こんないい環境ではなかなか作品作れないでしょうね。」とのご意見。
確かに表面的に平和で穏やかな空気が流れるこの空間は、表現に対するエネルギーや欲求が蓄積される場ではないと捉えられても仕方ない。
しかし・・・、この穏やかな島の時間の裏側に見える深く切実な状況はどうだろう・・・。
ここだからこそ、常識を超える深く強い活動が育まれつつあるんじゃないかな・・・と強く感じている。
それを藤島八十郎はちゃんと形にできるのか・・・。
しかし、八十郎の日常は、やっぱりのんびりしてるかもね。