八十郎の仕事が増えつつあります・・・大変になってきた。
2010年 07月 23日
地域に入り込み、ニュートラルな立場でいると、いろいろな角度からいろいろな立場の人との接点ができて、それぞれの事情や思いが伝わってきて、興味深かったり、感動したり、心苦しかったり・・・。
藤島八十郎としいうキャラクターが架空の「おまぬけ」キャラであるのと、絵本作家を目指して、物語をつくるためになんでもやります!というような態度を表出しつつ、島で暮らしているので、清掃や活動やら、みかん狩りやら、伝統行事の参加やら・・といろいろな地域の活動に声をかけられるようになってきた。
特に今回のプロジェクトパートナーの宇野澤君は6月から藤島八十郎の家に住民票を移してきて、この地域の自治会にも入会した関係で、瀬戸内国際芸術祭とは関係ないところで、地元の行事や地域で開催される説明会、清掃作業などにも参加しているので、いろいろな立場の人と島での生活を楽しんでいる。
そんななか、八十郎にもボランティアだけど仕事の依頼が来るようになった・・・。
高松側からの高速船の玄関口、家浦港に以前食堂をしていた家に、看板を掲げていたところがある。
その場所が殺風景なので、地元のいちご農家が経営している「いちご家」というカキ氷とかソフトクリームとかがおいしいお店の看板を出すという話があり・・・(いや、本当においしい。)・・・その経営者から看板作りを手伝ってくれとの八十郎への依頼。
お店の看板というよりも、島に来た人に向けて何かメッセージを描きたいとのオーナーの要望から、単純に「吹き出し」を看板にして、そのオーナーの子ども達に「島へ来た人に伝えたい言葉」をいろいろ考えてもらのはどうだとの八十郎の提案。
ちょうど、たて看板につかっていた廃材(厚さ6mm程度のサブロクの合板がたくさん。表には30cm角程度の格子の模様・・・)がもらえることになり、その素材が具体的な形や大きさ、設置方法を決定する。
イメージを先につくりその通りにモノゴトを押し通すと相当なお金がかかるが、その場にあるものに応じてつくると無駄がない。
ただし・・・時間と手間は相当かかる。
その分、心のこもったいいものができればいい。
文字も、通常だったらカッティングの文字を出力屋で頼むところだが、予算をかけられないのでカーボン紙でトレースして塗料で中を塗ってゆく手法で仕上げる。これも久しぶりの作業。
・・・というか、徒歩3分にあるホームセンター兼コンビニ兼スーパーマーケットのなんでも屋には30年ぐらい前に販売していた様子のカーボン紙が赤、青、黒と品揃え豊富に残っていて・・・おそらく僕が買わなければそのまま商品価値がなくなりそうなので・・・トレースの技術はもっと使わなければならないような気がする。
取り付ける作業の段取りを決めるために、ためしにひとつだけ看板を設置しようと現場作業を行ってみるが、昔のコンクリートボードが使われていて、コンクリート用ドリルが必要なことが判明。
困っていると、その場所の所有者がちゃっちゃと工具一式を持ってきて・・・まったく無駄のない手際でちゃっちゃと取り付けてゆく。
その作業の仕業が美しい。
こんなところに美がある・・・というのに
僕らはその姿に出会えて幸せだったが・・・それを表現するのは難しい。