ボウ菜のクルーズ、船橋から夢の島経由門前仲町まで
2010年 03月 22日
以前からかなり興味深い活動をしているボート・ピープル・アソシエイションと東京都の共催事業。
直下型の災害が発生したことを想定して、海や川を利用したいくつかの画期的な心くすぐるツアーの数々。
日比谷公園に集合してまずはバスで船橋漁港に移動。
そのバスの中で、今回のミッション、東京で直下型の地震が発生し、船橋漁港から東京都内の被災地に野菜を運ぶという設定のツアー。
それにしても、この船橋漁港の漁船とは思えないかっこよすぎる船と船長のなんともスマートで魅力的なことか・・・。
この魅力的な船長自らの船橋漁港と東京湾についてのレクチャーをうける。
その声と振る舞いにほれぼれ。
なんと船橋って相当な漁獲高の凄い漁港だったんだ。
考えてみると当たり前ですが、東京湾って相当な漁礁なんですね。
それと船橋は相当おいしい小松菜の産地なのだとか。
とにかく、船橋産のおいしい小松菜、トマト、きゅうり、かぶなどの野菜を満載して東京湾に繰り出し、夢の島の中継地点へ向かう。
船が・・・船が・・・でかくて早くて安定していて・・・凄い!
ディズニーランドを海側から眺めながらの快適な船旅ののち、夢の島マリーナに到着。
会場では野菜を待つ人の出迎え。
同時進行で坂口恭平とその道のプロの指導による、ブルーシートハウスの制作ワークショップも開催されている。
到着した野菜は会場で待っていたスタッフによって都内に運ばれる野菜とシェフの手によって料理される野菜に分けられる。
ちょっとショールーム的な・・・
会場構成がやたらとおしゃれで、震災中とは思えないギャップ。
災害時の適正技術でやってほしかったかなぁ。
それにしてもお味は最高! 満足度は一気に盛り上がる。
食べ物は大事ですね。
小松菜サラダがとてもおいしい。
午後からは再び野菜を積み込み、東京湾から運河を東京都内へ。
なんとものどかなクルーズ。
川の中から東京の街を眺めると、また違った角度でいろいろなモノゴトが見えてくるから面白い。
この夏は大阪市内を船で巡り、今回は東京を巡ってみたが、東京のほうが比較にならないほど水辺と街の境界線の敷居が高い。
絶対に水辺には近づかせないぞ!という管理者の意志が強く伝わってくる。
ただし、江東区のあちこちに以前水上バスの為に整備したという船着場が残っており、今は厳重に封鎖されているものの、非常時の防災の船着場として存在しているのがとても可能性を感じる。
街のインフラとして整備されたものの、使われなくなってしまったもの・・・
僕のツボにはまる。相当可能性があるなぁ。
ああ・・・いじりたい。
いくつかの船着場にはなぜか立ち寄らず・・・門前仲町のあたりの橋の上に野菜を待つ人が。
橋の上からロープが降りてきて・・・そこに野菜の箱をくくりつけ・・・無事にそれを届ける。
それにしても多くの高層マンション、集合住宅・・・当たり前のことだが・・・
数千万人の水や食料を含むライフラインを川からのルートだけで確保するという発想には無理があるものの、あらゆるラインを活かす方向で都市は経験を重ね、整備をし、もっと生き残るイメージを立ち上げなければならないことは確かだと思う。
今回のデモンストレーションがその発想に繋がり、いろいろな活動や行動が連鎖すること・・・そこに到達できればいいのだろうが・・・
出発してすぐのバスの中で恐ろしい現実の話を聞いた。
東京の2000世帯規模のとある超高層のマンション、耐震マンションの内部では超長周期振動によって物が飛びまくるシェーカー(あるいはマラカス)の中のような状態になるという話だが、そのマンション住民の避難場所は行政的には用意されていないとかで、7日間(以前は3日間と言っていたらしい)、マンション内で監禁生活状態を強いられることが想定されているのだとか。
例えば電気が停止している20階~50階とかのフロアで・・・例えば数日分の食料と水を階段で運ぶことができる体力と気力を残している被災者がはたしてどれだけいるのだろうか・・・。
ちゃんと考えなければならない問題は山ほどあるんだろうな・・・
それにしても問題は・・・それらの問題を見えないようにしようと働く意図がある・・・ということ。